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武家政権の威厳の象徴「二条城」

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で二条城にじょうじょうについてみていきたいと思います。

二条城

二条城は1603年、徳川幕府が京都御所の守護と将軍上洛の時の宿泊所として造営し、1626年に天守、本丸御殿及び二の丸御殿に係る大規模な拡張、修復工事が行われ、現在の規模となりました。現在の二の丸御殿はこの修復工事によるものです。天守は層塔式のもので、家康時代のものは伏見城に移し、改めて家光が築造したとされますが、1750年に天守が、1788年には本丸御殿等が焼失しました。1863年 家茂上洛のため二の丸御殿などが修復されました。
1867年には大政奉還の舞台となり、1871年には京都府所管とされました。次いで1884年に宮内省所管の離宮となり、1887年に二の丸御殿の屋根葺替等の大修理が行われ、1894年には1847年建設の旧桂宮御殿が本丸内に移築され、1939年に京都市に賜され、1949から1961年にかけて二の丸御殿の遠侍及び車寄、式台、大広間、蘇鉄の間、黒書院、白書院、本丸御殿の屋根修理、二の丸御殿台所、御清所の半解体修理、及び、その他の門、櫓、土蔵等については破損状況に応じて修理が行われました。さらに、1973から1990年には本丸御殿と櫓門の半解体修理、及び二の丸御殿唐門等の屋根修理が行われ、1972年以降現在まで二の丸御殿障壁画の模写が行われており、元の剥がれやすい障壁画と交換されています。
二の丸御殿の6棟が国宝に、二の丸庭園が特別名勝に指定されているほか、旧桂宮御殿を移した本丸御殿や東大手門など計22棟の建造物が重要文化財に指定され、世界遺産に登録されています。

世界遺産 建造物、庭園目録

Q1 本丸櫓門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代1625-1626 

本丸から二の丸への通路にあたる門 

Q(1) 袖塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代1625-1626 

本丸櫓門に接続する塀 

Q2 本丸御殿玄関 重要文化財指定年月日1944.09.05 建立年代1847 

公式の出入口 

Q3 本丸御殿御書院 重要文化財指定年月日1944.09.05 建立年代1790-1793 

公式の対面所となる殿舎 

Q4 本丸御殿御常御殿 重要文化財指定年月日1944.09.05 建立年代1849 

平常の住居 

Q5 本丸御殿台所及び雁之間 重要文化財指定年月日1944.09.05 建立年代1847 

本丸にある台所 

Q6 二の丸御殿唐門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

二の丸への入口 

Q7 二の丸御殿築地 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

唐門の東西につながる塀 

Q8 二の丸御殿遠待及び車寄 国宝指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

城へ参上した大名の控室及び玄関です。欄間彫刻などで装飾された入母屋造檜皮葺の車寄と、大きな妻飾りを正面に見せる遠侍で構成され、遠侍は城へ参上した大名の控室である虎の間と、朝廷からの使者を迎える勅使の間等から成っている。

Q9 二の丸御殿式台 国宝指定年月日1939.10.28建立年代 17世紀前半 

老中の詰所で、将軍に対する用件や献上品の取りつぎをする場であり、式台の間と老中の間とから成る。

Q10 二の丸御殿大広間 国宝指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

将軍の公式の対面の場で、最も格の高い上段の間から序列的に二の間、三の間、警護の武士の控えた槍の間とから成る。上段の間は床を一段上げ、二重折上格天井とし、床の間、違棚、付書院、帳台構を配した書院造の典型的座敷飾をみせている。

Q11 二の丸御殿蘇鉄の間 国宝指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

大広間と黒書院の間の金箔貼壁の渡廊

Q12 二の丸御殿黒書院 国宝指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

親藩大名等との私的な対面所であり、大広間と同様の書院造であるが規模が小さくなっている。

Q13 二の丸御殿白書院  国宝指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

将軍の休憩所。つまり居間と寝室です。規模が二の丸御殿黒書院よりさらに小さい書院造で、障壁画が淡彩の山水画となるなど装飾が落ち着いたものとなっている。 

Q(2) 付属之間 国宝指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

白書院から張り出した室 

Q(3) 黒書院白書院間渡廊 国宝指定年月日1952.03.29 建立年代17世紀前半

白書院と黒書院をつなぐ廊 

Q14 二の丸御殿台所 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

台所となる大規模な殿舎 

Q15 二の丸御殿御清所 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

公式の儀式の際の料理をまかなう殿舎 

Q(4) 廊下 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

台所と御清所をつなぐ廊 

Q16 二の丸東大手門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代1662

二条城の正門 

Q(5) 名門塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

石垣上に長屋をもつ城壁 

Q17 二の丸北大手門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

北側の門 

Q(6) 多門塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

石垣上に長屋をもつ城壁 

Q18 二の丸西門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

西側の門 

Q(7) 多門塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

石垣上に長屋をもつ城壁 

Q19 二の丸東南隅櫓 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

城郭の東南の隅に立てた櫓 

Q(8) 多門塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

石垣上に長屋をもつ城壁 

Q20 二の丸東南隅櫓北方多門塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

東南隅櫓と東大手門の間を塞ぐ塀 

Q21 二の丸西南隅櫓 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

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西南隅櫓

城郭の西南の隅に立てた櫓 

Q(9) 多門塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

石垣上に長屋をもつ城壁 

Q22 二の丸土蔵 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

二の丸御殿台所の北に立つ土壁の蔵 

Q23 二の丸土蔵(北) 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

二の丸西北部内堀の外辺に立つ土壁の蔵 

Q24 二の丸土蔵 (南) 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

二の丸西南部内堀の外辺に立つ土壁の蔵 

Q25 二の丸鳴子門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

内堀の東側外に位置する門 

Q(10) 袖塀 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

鳴子門に接続する塀 

Q26 二の丸桃山門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

二の丸西方南の仕切門 

Q27 二の丸北中仕切門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半 

二の丸北部の東西を仕切門 

Q28 二の丸南中仕切門 重要文化財指定年月日1939.10.28 建立年代17世紀前半

二の丸南部の東西を仕切門 

Qa 二条城二の丸庭園

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二の丸庭園

二の丸御殿の西側に大広間から眺められるように造られ、屈曲の多い池を地表面から低く下げて掘り、その法面や護岸に多数の派手な石組を配するとともに、池中に三つの島、奥に三段の滝を設けた池泉廻遊式の庭園であり、その力強い意匠は豪壮な建築群とよく調和している。 
特別名勝指定年月日1939.11.30 建立年代17世紀前半
力強い石組みを持つ池庭 

※( )付の数字で示された建造物は、国宝もしくは重要文化財に指定された建造物に付随するものとして、国が指定した文化財である


武家風書院造を代表する二の丸御殿の主要部は遠侍及び車寄、式台、大広間、蘇鉄の間、黒書院、白書院の各殿舎がつながった複合体であり、二の丸庭園の池に沿って雁行形に配されている。これらは一殿舎一機能の関係をつくりながら表から奥へと序列化され、内部においても、床の高さや天井の形態、座敷飾等によって各室が差異をつけながら配置されている。各室は部屋の目的に応じて障壁画が描かれ、欄間彫刻、飾金具、花熨斗形の釘隠し等が豪華に金飾されるなどの意匠が凝らされている。

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)

文化遺産オンライン(文化庁)

入城案内

所在地

〒604-8301 京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
TEL 075-841-0096 FAX 075-802-6181

開城時間


午前8時45分~午後4時(閉城 午後5時)

7~8月
午前8時~午後5時(閉城 午後6時)
9月
午前8時~午後4時(閉城 午後5時)
  入城料/二の丸御殿観覧料 展示収蔵館観覧料 (入城料のみ)
一般 1,030円 200円 (620円)
一般団体(30名以上) 830円 (520円)
中高生 350円
小学生 200円
  • ※小学生未満は無料です。
  • ※一般の方で、入城後、二の丸御殿や展示収蔵館の観覧券を購入される方は、総合案内所又は展示収蔵館にて購入できます。(展示収蔵館では展示収蔵館観覧券のみ販売しています。)

この他入城料金の割引もあります。詳しくは公式ホームページにてご確認ください。

ライトアップ

城内の桜が次々と咲き、約一か月間、桜が楽しめます。

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ライトアップされた二の丸庭園

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夜間観覧では、重要文化財の唐門や桜などライトアップされます。

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昼間の二条城も魅力的ですが、夜の二条城は幻想的で引き込まれます。一度は見ていただきたいと思います。