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祝祭日の「祝日」と「祭日」について

春になると新年度が始まり、一年の休みが気になります。「ゴールデンウィークは何連休になるかな?シルバーウィークは?年末年始は?」祝日と土日など会社や学校のお休みとの兼ね合いで、連休が長かったり短かったりと悲喜こもごもです。

ところで、祝祭日でお休みって聞いたことありますが、祝日と祭日の違いって何でしょう。

祝日とは、その国の大きな出来事や記念日を国が制定した日

日本では1948年に施行された「国民の祝日に関する法律」で定められており、年間16日あります。

国民の祝日に関する法律では、「国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」と定められ、年度ごとの祝日は内閣府の公式サイトで確認できます。

国民の祝日について - 内閣府

【国民の祝日】

〇令和6年(2024年)の国民の祝日

1月1日    元日    
1月8日    成人の日    
2月11日    建国記念の日    
2月23日    天皇誕生日    
3月20日    春分の日    
4月29日    昭和の日    
5月3日    憲法記念日    
5月4日    みどりの日    
5月5日    こどもの日    
7月15日    海の日    
8月11日    山の日    
9月16日    敬老の日    
9月22日    秋分の日    
10月14日    スポーツの日    
11月3日    文化の日    
11月23日    勤労感謝の日    

〇令和7年(2025年)の国民の祝日

1月1日  元日      
1月13日    成人の日    
2月11日    建国記念の日   
2月23日    天皇誕生日    
3月20日    春分の日    
4月29日    昭和の日    
5月3日    憲法記念日   
5月4日    みどりの日    
5月5日    こどもの日   
7月21日    海の日    
8月11日    山の日    
9月15日    敬老の日    
9月23日    秋分の日   
10月13日    スポーツの日    
11月3日    文化の日    
11月23日    勤労感謝の日    

【振替休日】

祝日法第3条第2項により、「国民の祝日」が日曜や他の祝日に被った時に、その日の後の最も近い平日が代わりの休みになります。

〇令和6年(2024年)の国民の休日

2月12日・5月6日・8月12日・9月23日・11月4日

〇令和7年(2025年)の国民の休日

2月24日・5月6日・11月24日

【国民の休日】

国民の祝日に関する法律第3条第3項に規定する休日で、前日と翌日の両方を「国民の祝日」に挟まれた平日は休日となります。

〇令和6年(2024年)の国民の休日

ありません

〇令和7年(2025年)の国民の休日

ありません

【国民の祝日の趣旨】

元日

年のはじめを祝う趣旨

現在は初詣をする人が多くいますが、昔は年の恵方の社寺に参詣していました。ちなみに元旦とは1月1日の午前中を指し、元日は1月1日を言います。元旦の旦の字は地平線から日が昇ることを表しているので午前中というより早朝を指しているのかもしれません。そしてお正月と言えば、雑煮やおせち料理を食べます。おせち料理には「普段から忙しいお母さんたちがお正月三が日ぐらいはゆっくりできるように」との意味があるようです。

成人の日

おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます趣旨

祝日法の制定時、1月15日に制定されていましたが、ハッピーマンデー構想により、平成10年の祝日法改正で平成12年からは、1月の第2月曜日となりました。

こどもの日

こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する趣旨

祝日法の制定当初から設けられている国民の祝日で、成人の日とともに、次の時代の人々に大きな期待をかけていることが説明されています。子供に関する風習は3月3日の「ひな祭り」と5月5日の「端午の節句」があり、これを合わせて5月3日とする案もありましたが、5月3日は憲法記念日となったため、季節のよい5月5日となりました。

建国記念の日

建国をしのび、国を愛する心を養う趣旨

昭和41年の祝日法改正により設けられた国民の祝日で、昭和42年から旧制の紀元節と同じ日が祝日となりました。紀元節は日本の初代天皇とされる神武天皇の即位起源を祝う日とされていました。

春分の日・秋分の日

春分の日は自然をたたえ、生物をいつくしむ趣旨、秋分の日は祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ趣旨

旧制の「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」の日に当たり、それぞれ彼岸の中日とされています。彼岸とは「かのきし」つまり、極楽浄土の岸に至るという意味で各家庭で先祖を供養します。また、暑さ寒さも彼岸までという言葉の通り、暑からず寒からず昼と夜が等分の日、天文学上の言葉である「春分日」と「秋分日」が「春分の日」と「秋分の日」となります。法律に具体的な月日は定められず、国立天文台が毎年2月に公表する暦要項により、翌年の春分の日と秋分の日の日にちが確定します。

天皇誕生日

天皇の誕生日を祝う趣旨

祝日法の制定当初から設けられている国民の祝日で、制定当初の「天皇誕生日」は、昭和天皇の誕生日である4月29日でした。

昭和の日

激動の日々を経て復興を遂げた、昭和の時代を顧み国の将来に思いをいたす趣旨。

昭和の時代に「天皇誕生日」とされていた4月29日は、平成元年から平成18年までは、みどりの日とされていました。平成17年の「国民の祝日に関する法律」の改正により、平成19年から「昭和の日」とすることとされました。

みどりの日

自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ趣旨

平成元年の「国民の祝日に関する法律」の改正により設けられ、それまで天皇誕生日となっていた4月29日が「みどりの日」とされました。平成17年の法改正により、平成19年から、4月29日が昭和の日とされ、みどりの日は5月4日に変更されました。新緑に季節であるこの時期を、「みどりの月間(4月15日から5月14日)」として、身近な緑や森林に親しんでもらえるようさまざまな緑化行事が行われます。

憲法記念日

日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する趣旨

祝日法の制定当初から設けられている国民の祝日で、当初、憲法実施の日の5月3日と、公布の日の11月3日で、意見が分かれたようです。日本国憲法は、昭和21年11月3日に公布され、半年後の昭和22年5月3日に施行されました。

海の日

海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う趣旨

平成7年の「国民の祝日に関する法律」の改正により、平成8年から設けられました。制定当初、海の日は、明治9年に明治天皇が東北地方に巡幸した際、灯台視察船「明治丸」で航海し、横浜港に帰着された日に因んで、7月20日に制定されていました。その後、平成13年の法改正により、平成15年から、現在の「7月の第3月曜日」に変更されました。

山の日

山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する趣旨

「海の日はあるのに山の日はない」という疑問から、山岳に関する5つの団体が、山の日を制定しようとする動きを全国的に始め、平成26年の「国民の祝日に関する法律」の改正により、平成28年から「山の日」が設けられました。当初は祝日のない6月にする案や、「海の日」(7月第3月曜日)の翌日にする案などがありましたが、8月11日に落ち着きました。国民の祝日になる前から全国各地には独自の山の日があり、特に8月8日は「やまなし山の日」「ぎふ山の日」、11月11日は「かがわ山の日」「えひめ山の日」「こうち山の日」など、「8」と「11」については複数の地域で山の日とされていました。8を漢字で書くと八となり、山の形に似ていることと、11は木を表すにふさわしいということのようです。

敬老の日

多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う趣旨

昭和41年の「国民の祝日に関する法律」の改正により設けられた国民の祝日で、平成14年までは、9月15日とされていました。平成13年の法改正により、平成15年から、現在の「9月の第3月曜日」に変更されました。

スポーツの日

スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う趣旨

昭和41年の「国民の祝日に関する法律」の改正により「体育の日」として、昭和39年に開催された東京オリンピックの開会式に因み10月10日に設けられていましたが、平成10年の法改正により、平成12年から、現在の「10月の第2月曜日」となり、平成30年の法改正により、令和2年から、名称が「スポーツの日」に改められました。

文化の日

自由と平和を愛し、文化をすすめる趣旨

祝日法の制定当初から設けられている国民の祝日で、旧制の「明治節(明治天皇の降誕日)」と同じ日です。また、昭和21年に日本国憲法が公布された日でもあり、憲法において、戦争放棄を宣言し、国際的にも文化的意義を持つことから、平和を図り、文化を進めるという意味で「文化の日」と名付けられました。文化の日には、毎年、文化勲章 の親授式が宮中において行われています。

勤労感謝の日

勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう趣旨

祝日法の制定当初から設けられている国民の祝日で、旧制の「新嘗祭」と同じ日に当たります。新嘗祭は、新穀の収穫に対する感謝と、翌年も豊作であるように願う日本古来の重要な宮中行事で、この感謝の気持ちを受け継いだ祝日が勤労感謝の日です。

祭日はかつて宗教儀礼を行っていた日のことで現在は廃止されています

「祭日」は、神社で祭祀が行われる日のこと。もともと皇室祭祀令という皇室の祭祀(宮中祭祀)に関する法令があり、ここで祭日は定められていました。しかし、1947年に廃止。そのため、現在では祭日はなくなり、祝日だけが残り、「祝日」「国民の祝日」という呼び方に統一されました。祭日は廃止されましたが、宮中祭祀は、皇室祭祀令に準じて現在も行われています。また、春季皇霊祭→春分の日、秋季皇霊祭→秋分の日など、明治時代に祭日だった日が名前を変えて、今の祝日に受け継がれているものもあります。

以下は宮内庁公式サイトの「宮中祭祀」より引用しています。

大祭

天皇陛下ご自身で祭典を行われ、御告文を奏上されます。

1月3日 元始祭

年始に当たって皇位の大本と由来とを祝し、国家国民の繁栄を三殿で祈られる祭典

1月7日 昭和天皇祭

昭和天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)夜は御神楽がある。

春分の日 春季皇霊祭

春分の日に皇霊殿で歴代天皇などの霊を祀る祭

春分の日 春季神殿祭

春分の日に神殿で行われる神恩感謝の祭典

4月3日 神武天皇祭

神武天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)

秋分の日 秋季皇霊祭

秋分の日に皇霊殿で行われるご先祖祭

秋分の日 秋季神殿祭

秋分の日に神殿で行われる神恩感謝の祭典

10月17日 神嘗祭

賢所に新穀をお供えになる神恩感謝の祭典。この朝天皇陛下は神嘉殿において伊勢の神宮をご遙拝になる。

11月23日 新嘗祭

天皇陛下が、神嘉殿において新穀を皇祖はじめ神々にお供えになって、神恩を感謝された後、陛下自らもお召し上がりになる祭典。宮中恒例祭典の中の最も重要なもの。天皇陛下自らご栽培になった新穀もお供えになる。

小祭

掌典長が祭典を行い、天皇陛下がご拝礼になります。

1月1日 歳旦祭

早朝に三殿(賢所、皇霊殿、神殿)で行われる年始の祭典。

1月30日 孝明天皇例祭

孝明天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)

2月17日 祈年祭

三殿で行われる年穀豊穣祈願の祭典

2月23日 天長祭

天皇陛下のお誕生日を祝して三殿で行われる祭典

6月16日 香淳皇后例祭

香淳皇后の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)

7月30日 明治天皇例祭

明治天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。)

12月中旬 賢所御神楽

夕刻から賢所に御神楽を奉奏して神霊をなごめる祭典

12月25日 大正天皇例祭

大正天皇の崩御相当日に皇霊殿で行われる祭典(陵所においても祭典がある。) 

大祭でも小祭でもない

1月1日    四方拝

1月1日の早朝、歳旦祭に先だって、神嘉殿南庭で天皇が山陵および四方の神々を拝する年中最初の行事

1月4日 奏事始

年始に当たって、皇室の祭祀を司る掌典長が、伊勢神宮および宮中の祭事のことを天皇陛下に申し上げる行事

4月3日 皇霊殿御神楽

神武天皇祭の夜、特に御神楽を奉奏して神霊をなごめる祭典

6月30日 節折

天皇陛下のために行われるお祓いの行事

6月30日 大祓

神嘉殿の前で、皇族をはじめ国民のために行われるお祓いの行事

12月31日 節折

天皇陛下のために行われるお祓いの行事

12月31日 大祓

神嘉殿の前で、皇族をはじめ国民のために行われるお祓いの行事

旬祭

毎月1日・11日・21日に掌典長が祭典を行い、原則として1日には天皇陛下のご拝礼があります。

まとめ

祝祭日でお休みと言うのは間違いで、カレンダーの休日はすべて祝日だったんですね。その他にある振替休日などは国民の休日でした。春分の日や秋分の日のようにもともとは祭日だったものも、今は祝日になっているんですね。