ヘリテージ~受け継ぐべきもの

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神社建築として現存最古の宇治上神社

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で宇治市の神社、宇治上神社についてみていきたいと思います。

I.宇治上神社

宇治上神社の始まりは明らかではありませんが、平等院鳳凰堂完成後は平等院の鎮守として崇拝されてきました。宇治上神社は平等院と宇治川をはさんで向かい合わせとなっており、正面は平等院の方を向き、背後には森林が広がっています。

世界遺産登録一覧より

本殿、拝殿、摂社春日社本殿からなります。1908年に拝殿、1910年には本殿の解体修理が実施され、その後、本殿、拝殿とも2回の屋根葺替が行われています。

I1 本殿 

国宝指定年月日:1902.04.17  建立年代:11世紀後半
建立年代は明らかではありませんが、本殿は一間社流造の内殿が三棟が並んでいて、祭神はそれぞれ左殿が菟道稚郎子命(仁徳天皇の異母弟にあたります)、中殿が応神天皇 (第15代天皇で菟道稚郎子命の父)、右殿が仁徳天皇(第16代天皇)となっています。内殿の規模や細部はそれぞれ異なり、建立年代も左殿、中殿、右殿の順に古く、およそ11世紀後半から12世紀前半にかけての造営で神社建築の最古の建築です。
I2 拝殿 

国宝指定年月日:1902.07.31 建立年代:13世紀前半
鳥居をくぐり、参道を歩き、階段をあがると見えるのが、住宅建築に近い趣をもつ本殿の前の一段低くなったところに建つ横長の拝殿です。13世紀前半建立で、現存する最古の拝殿となります。

I3 摂社春日神社本殿 

重要文化財指定年月日:1912.02.08 建立年代:13世紀後半-14世紀前半
宇治上神社の境内にある一間社流造の小さな社です。

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)
文化遺産オンライン(文化庁)

拝観について

住所
〒611-0021 京都府宇治市宇治山田1
連絡先
TEL.0774-21-3041 FAX.0774-24-3901
拝観料
無料
参拝時間
境内自由
祈祷
16時まで受付

宇治上神社の見どころ

桐原水

宇治七名水で現存する最後の一つ。宇治と言えばお茶が有名ですが、そのお茶に欠かせない水。宇治茶の象徴として「宇治七名園」があり、その名園にそれぞれ名水が定められていてそれが「宇治七名水」とされました。その中でこの桐原水だけが今なお枯れることなく涌き出しているのだそうです。桐原水は、 拝殿の横に、祠のような建物の中にあります。

さわらびの道

宇治上神社、源氏物語ミュージアムなど、源氏物語・宇治十帖ゆかりの古跡などを巡る散策道です。源氏物語散策の道としても親しまれています。

宇治上神社の物語

見返り兎に関する逸話

菟道稚郎子命が河内から宇治に向かう際道に迷い、兎に導かれ無事に目的地へたどり着くことができました。その時兎が何度も振り返りながら道を進んでいたことから「みかえり兎」が祀られるようになり、正しい道を教えてくれたことから兎を神の使いとしてあがめられているという逸話があります。

日本書紀に記載されている物語

菟道稚郎子命は、父応神天皇の寵愛を受けて皇太子にたてられましたが、菟道稚郎子命は異母兄の大鷦鷯尊(仁徳天皇)に皇位を譲るために自害し兄が皇位を継いだという美談です。

これは日本書紀にのみ記載されている内容のため真意がわからないということで、ここでは物語として紹介します。詳しい内容は宇治上神社に置かれています。