ヘリテージ~受け継ぐべきもの

日本の宝を未来に遺すために今すべきこととは

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地球の構造と地球を構成する岩石について

受け継ぐべきものの中で一番は地球だということを忘れていました。そもそも地球はこの何億年の歴史で、気候変動を繰り返してきたそうです。温暖化対策など世界で叫ばれる中、様々な問題を抱えていて、悩ましいですね。

様々な問題を解決することは難しそうですが、私は最近地震が多いことも気になっています。プレート型地震とかよく聞きますが、地球の構造の構造ってどうなっているのでしょう。

地球の内部構造

地球の内部構造は直接見ることはできません。そこで、P波とS波という性質の違う二つの地震波の伝わり方を手掛かりに、内部構造を調べています。

走時曲線

地震波の伝わりを示す曲線で、地震波が震源から観測地点に到達するまでにかかる時間と、震央から観測地点までの距離の関係をあらわします。

走時曲線からわかる地球の内部構造

地球は地殻に覆われていますが、そこから内部に向かってマントル・外核・内核の順に層になっています。

地殻

大陸を形成する大陸地殻と、海底を形成する海洋地殻があり、さらに大陸地殻は上層部と下層部に別れています。大陸地殻の厚さは30~60㎞、上層部は花崗岩(かこうがん)質岩石、下層部は玄武岩質岩石からできています。海洋地殻には地殻上層部がなく、いきなり地殻下層部になり、厚さ5〜10㎞で、玄武岩質岩石からできています。

マントル

固体で、さらにマントルはかんらん岩質の岩石からできています。

外核

液体になっていて外核とマントルの境界面の深さは約2900㎞とされています。さらに外核は鉄、ニッケルの液体からできています。

内核

固体になっていて外核と内核の境界面の深さは約5100㎞とされています。さらに内核は鉄、ニッケルの固体からできています。

プレートテクトニクス

地球の表層は十数枚のプレートに分けられています。プレートはほとんど変形することがなく厚さ70㎞ほどの岩盤で、年間数cmの速さでアセノスフェアの上を移動しています。地震や、火山、造山帯はこのプレートの境界に集中しています。

このような様々な現象をプレートの動きで説明する考え方を「プレートテクトニクス」と言います。

プレート

プレートは地殻と、最上部マントルからできています。下の図のリソスフェアの部分です。

ここで言う最上部マントルとは、地下約100kmの深さのマントル中に地震波の速度が数%遅くなる柔らかい層(下の図の低速度層部分)があり、それより上の部分のことです。ちなみに下の図の低速度層とそれより下の部分をアセノスフェアと言います。

プレートは大陸プレートと海洋プレートがあり大陸プレートの方が密度が小さくて厚く、海洋プレートの方が密度が大きくて薄いという特徴があります。

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プレート

プレートの境界は3種類

収束する境界

プレート同士が近づき合うプレートの境界を収束する境界といいます。

密度の大きい海洋プレートと密度の小さい大陸プレートが近づくと密度の大きい海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込みます。これを沈み込む境界と言います。これにより海溝ができます。また、密度が同じ大陸プレート同士が衝突した場合の境界を衝突境界と言います。この時は地面が盛り上がり山脈ができます。⇒逆断層型の地震が多く発生

拡大する境界

プレート同士が遠ざかるプレートの境界を、拡大する境界と言います。

プレート同士が遠ざかるとそこに割目ができ、割目を埋めるように、深部から温かく軟らかいマントルが上昇します。上昇してきたばかりのマントルは、温かい分だけ軽めなので、すこし盛り上がって「中央海嶺*1」という高まりを造ります。プレート同士が遠ざかる境界は、ほとんどが海の底にあります。中央海嶺で海洋プレートがつくられ拡大します。⇒正断層型の地震が発生

すれ違う境界

移動する 2 つのプレートが横にずれる境界で、すれ違う境界に形成される断層をトランスフォーム断層といいます。ちなみに、トランスフォームとは、移る・転換するという意味です。トランスフォーム断層も、中央海嶺と同様にほとんどが海底にあります。⇒横ずれ断層型の地震が発生

地震

地球全体で地震が発生する場所は環太平洋地域などに限られています。これはプレートの運動と関係しています。

地震発生の原因

地震はプレートの運動などが原因となって岩盤に力が加わり、岩石が破壊され断層がずれ動くことで発生します。過去にずれ動いた断層が再びずれ動くことが多く、第四紀(260万年前以後)中に活動した証拠のある断層を「活断層」と呼んでいます。活断層は、直接的な地形を分析することから発見することが多く、現在日本では2000ヶ所以上の「活断層」が見つかっていますが、地下に隠れていて地表に現れていない「活断層」もたくさんあります。

震度

震度は揺れの程度によって10段階に分かれます。以前は体感で決定されていましたが、1995年の兵庫県南部地震を機に1996年から現在のように震度計で測定されるようになりました。

0 揺れを感じない

1 屋内に居る人の一部がわずかな揺れを感じる

2 屋内に居る人の多くが揺れを感じ、電灯などもわずかに揺れる

3 屋内に居る人のほとんどが揺れを感じる

4 電灯などが大きく揺れ、歩いている人も揺れを感じる

5弱 棚のものが落ちたり、窓ガラスが割れることもある

5強 箪笥が倒れたり、ドアが開かなくなることもある

6弱 立っていることが困難。家具が移動したり倒れたりする

6強 立っていることができない。窓ガラスや壁のタイルが落下する

7 建物が傾いたり崩壊する。地割れや地滑りが発生

マグニチュード

地震のエネルギーの規模を表す尺度をマグニチュードと言います。震度は一つの地震で場所によって値が異なりますが、マグニチュードは一つの地震で一つの値が決まります。震央から100㎞の距離に置かれた標準地震計の記録の最大振幅をもとに決められます。

火山

火山は、地殻の深部にあったマグマが地表または水中に噴出することによってできます。マグマは岩石が解けたもので、地下5~10㎞のところにあるマグマ溜りにいったん蓄えられ、そこから噴出してきます。様々な火山噴出物が多様な噴火の仕方でいろいろな形の火山を作ります。

火山の噴出物

溶岩

マグマそのもの。あるいはマグマが固まってできた火山岩の事。

火山砕屑物(かざんさいせつぶつ)

火山から噴出した固形物を総称して火山砕屑物といいます。直径2mm以下のものを火山灰と言い細粒の鉱物の結晶や火山ガラスからなり、直径2~64mmのものを火山礫といい、直径64mm以上のものを火山岩塊といいます。紡錘形やパン皮状など独特の外形をしたものを火山弾と言います。

火山ガス

火山から放出されるガスの9割以上は水蒸気で、そのほか二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄などが含まれています。

火山の形

火山の形は噴出したマグマの粘性で決まります。粘性が小さく流れやすいマグマでは傾斜のゆるい火山が、粘性の大きいマグマでは急傾斜の火山ができます。

溶岩ドーム(溶岩円頂丘)

粘性の大きい流紋岩質マグマの活動でできます。上昇したマグマが河口付近に盛り上がって形成され、成層火山などに比べると火山の規模は小さいのが特徴です。

成層火山

溶岩の流出と火山灰の放出が繰り返されてできます。安山岩質マグマの活動によってこのタイプの火山ができます。

盾状火山

粘性の小さい玄武岩質マグマの活動によってできるなだらかな火山です。大規模のものが多いのが特徴です。

カルデラ

山頂付近が大規模にへこんだ火山地形のこと。噴火でできた地下の空洞部分が陥没したり、爆発で山頂部が吹き飛ばされてできます。

火砕丘

噴出したスコリアや軽石*2などの火山礫が火口のまわりに降り積もってできます。

火山の分布とマグマの発生

日本には富士山をはじめ多数の火山がありますが、地球全体で見ると、限られた地域に帯状に分布されています。地球上で火山が分布しているところは、地下でマグマが発生せているところと考えることができ、マグマの発生している場所はプレート境界と考えられます。

島弧海溝系の火山

プレートの沈み込みに伴って地下に水が持ち込まれ、融点が低下してマグマが発生します。岩石の融点は水が共存する場合に低下します。安山岩質マグマを中心に玄武岩質マグマや流紋岩質マグマの活動が見られます。

中央海嶺

プレートの拡大する境界ではマントル対流などで高温の岩石が圧力の低い所に移動し融点が低下し、多量のマグマが発生します。こういう場所では、玄武岩質マグマの活動が見られます。海底で玄武岩質マグマが噴出すると、枕状溶岩が形成されることがあります。

ホットスポット

プレート境界と関係のない所で、局地的に温度が上昇するとマグマが発生します。このようなな場所では玄武岩質マグマの活動が見られます。

マグマの変化

マグマは上部マントルで発生します。上部マントルはかんらん岩質の岩石でできていますが、部分溶解*3して玄武岩質マグマが発生します。これを本源マグマと言います。

中央海嶺やホットスポットでは玄武岩質マグマがそのまま噴出していますが、島弧の地下ではマグマ溜りでマグマの結晶分化作用*4が起こり、マグマは玄武岩質から安山岩質、流紋岩質へと変化していきます。

地球を構成する岩石

地球の内部構造でも触れましたが、地球はほとんどが岩石か金属でできています。そして、岩石は大きく分けて、堆積岩、火成岩、変成岩に分類されます。

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岩石

堆積岩

堆積した土砂などは押し固められ堆積岩と呼ばれる岩石となります。河原などでよく見かける砂岩や石灰岩などや、地層をつくっている岩石も堆積岩です。

風化作用

岩石がばらばらに砕けたり解けたりしていく過程を風化と言います。風化作用は大きく物理的風化作用と化学的風化作用の二つに分類されます。

物理的風化作用

温度変化により鉱物が膨張収縮を繰り返すことで岩石が破壊されたり、岩石の割れ目に木の根が入り込んで成長することで岩石を割ったり、岩石の割れ目に入った水分が凍結し体積が増すことで岩石を割るというような、岩石を力で砕いていくような作用を物理的風化作用と言います。これは岩石がむき出しになっているような砂漠のようなところで盛んに起こります。

化学的風化作用

化学変化を起こして岩石がとけたり、鉱物が変化する作用。二酸化炭素が解けた水は石灰石をとかし、鍾乳洞やカルスト地形ができます。また、カリ長石が科学的風化作用を受けてカオリンという粘土鉱物に変化したりします。

続成作用

風化作用でできた砕屑物などが、海水中などで堆積すると地層ができます。堆積したばかりの地層は堆積物はばらばらの粒子の状態ですが、堆積物が固まると堆積岩になります。この堆積岩になる作用を続成作用といいます。続成作用は圧密作用と膠結作用の組み合わせで進んでいきます。

圧密作用

堆積物が上に堆積した地層の重さで押し固められていきます。この時粒子間にあった水は絞り出されて抜けていき、粒子同士ががっちり組み合うようになります。

膠結作用

セメント化作用とも呼ばれ、堆積物粒子間に水中の炭酸カルシウムや二酸化ケイ素などが沈殿し、こうした物質により堆積物粒子は強く結びつけられます。

堆積岩の分類

堆積物は地球の表面付近で堆積するので、堆積岩は地球の表面や比較的浅い所(地殻)にのみ存在します。

砕屑岩(礫岩・砂岩・泥岩)

砕屑物は陸から供給されるので、陸に近い大陸斜面や海溝付近に堆積します。砕屑物が堆積した岩石を砕屑岩といい、粒子の直径で分類されます。0.6mm以下が泥・0.6~2mmが砂・2mm以上が礫となります。粒子の小さい泥岩は陸から遠くに、粒子の大きい礫岩は陸に近い所にできます。

火山砕屑岩(凝灰岩、凝灰角礫岩)

火山灰が押し固められてできた岩石を火山砕屑岩といい、かつて火山の噴火があった場所であることがわかります。凝灰角礫岩は火山岩塊、火山礫、火山灰などが入り混じり、凝灰岩は主に火山灰からなります。

化学岩(石灰岩、チャート、岩塩)

水中からの沈殿物が堆積してできた岩石で、石灰岩・チャート・岩塩などがあります。石灰岩は主成分として炭酸カルシウムを含み、チャートは主成分として二酸化ケイ素を含み、岩塩は主成分として塩化ナトリウムを含みます。

生物岩(石灰岩、チャート)

生物の殻や遺骸を堆積してできた岩石で石灰岩やチャート、石炭などがあります。石灰岩はフズリナやサンゴなど炭酸カルシウムを多く含み、チャートはホウサンチュウやケイソウの死がいなど二酸化ケイ素を多く含みます。

火成岩

マグマが冷えて固まってできた岩石を火成岩と言います。

火成岩の産状

マグマが固まった状態を火成岩の産状といいます。

火成岩はいろいろな場所でさまざまな岩体を形成します。地表に噴出して固まった状態を溶岩と呼びます。地下深いところで大規模に形成された岩体を底盤(バソリス)と呼びますが、これは地殻変動や浸食により地表に現れることもあります。また、マグマは地層を切って岩石の割れ目に入り込んだり、地層と地層の境目に入り込んで固まり、火山岩を形成することもあります。前者を岩脈、後者を岩床と言います。岩床は堆積岩に見えることもありますが、岩床は周縁部分に火山岩の特徴を持っています。

火成岩の分類

火成岩は、火山岩と深成岩に大別されますが、含まれる鉱物の種類と割合などでさらに細かく分けられます。まず、SiO2が含まれている割合によって超塩基性岩・塩基性岩・中性岩・酸性岩に分けられ、それぞれの境界は45 %,52 %,66 %です。

火成岩の分類

火成岩に含まれる鉱物

火成岩を構成している主な造岩鉱物は斜長石・カリ長石・石英・かんらん石・輝石・角閃石・黒雲母の7種類です。このうちかんらん石・輝石・角閃石・黒雲母は黒っぽいので有色鉱物と呼び、斜長石・カリ長石・石英は透明または白っぽいので無職鉱物と呼びます。

変成岩

岩石が高圧なところや高温なところに長期間置かれていると見かけの違う岩石に変化します。このような岩石を変成岩と言います。

変成作用

変成岩ができる作用を変成作用と言います。変成作用は、高い温度や圧力で鉱物が再結晶*5することによって起こります。ただし、続成作用との境界はあいまいで、どこまでを続成作用といい、どこから変成作用というかは明らかではありません。

接触変成岩

高温のマグマに接した岩石はその熱により接触変成作用を受けて、接触変成岩となります。

結晶質石灰岩(大理石)

石灰岩が接触変成したもの。石灰岩中の方解石が再結晶で大きくなり、結晶面がきらきら光る

ホルンフェルス

泥岩や砂岩が接触変成したもの。細かい結晶の間に黒雲母、きんせい石などが比較的大きく成長する。非常に硬くて緻密。

広域変成岩

プレートの衝突や沈み込みに伴って山ができる造山運動は、帯状に分布し、高い圧力や熱が発生します。このような広範囲にわたって変成作用が起こってできた変成岩を広域変成岩と呼びます。

結晶片岩

低温高圧の広域変成作用でできます。鉱物の結晶が一定方向に並んでいる片理という、薄く板状に割れやすい構造となっています。

片麻岩

高温低圧型の広域変成作用でできます。荒い縞模様が特徴で黒い部分は黒雲母や角閃石など、白い部分は石英や斜長石などで、花こう岩の鉱物組成と同じです。

 

*1:海嶺は海底山脈全体を言うのに対し中央海嶺はマントルの裂け目にできるものを言います。

*2:多孔質の火山砕屑物のうち白っぽいものを軽石、黒っぽいものをスコリアと言い、これらに見られる孔は揮発性成分によってできたもの

*3:岩石のとけやすい成分が部分的にとける現象

*4:マグマの冷却によりマグマの化学組成が変化する現象の事

*5:固体のままで原子の配列や組み合わせが変化する現象