ヘリテージ~受け継ぐべきもの

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「苔寺」の名称で知られる「西芳寺」

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中でここでは西芳寺についてみていきたいと思います。

西芳寺について

西芳寺は境内に黄金池を中心とした苔の庭園をはじめ、約120種類の苔が境内を覆っていることから「苔寺」として親しまれています。この寺は聖徳太子の別荘地として開かれ、1339年夢窓疎石が禅宗寺院として復興したもので、復興当初は、平地部に二層の楼閣瑠璃殿をはじめ、いくつかの庭園建築を持つ池庭、山腹に洪隠山とよばれる枯山水石組と座禅堂指東庵、山頂の展望地点に縮遠亭が建てられていました。室町時代におけるもっとも優れた庭園と呼ばれ、石庭や建物に彩られた庭園は華やかな風景を呈していたと伝えられています。 西方寺は何度も人災や天災にあいましたが、浄土真宗中興の祖といわれる蓮如や今川義元等の他、宗旨を異にする門徒や西芳寺周辺の村々からの寄進によって復興してきました。

世界遺産登録一覧より

K1 湘南亭本家(重要文化財指定年月日1907.08.28 建立年代16世紀後半-17世紀前半)
16世紀末に茶庭として建てられました。
K2 湘南亭待合及廊下(重要文化財指定年月日1907.08.28 建立年代16世紀後半-17世紀前半)
四畳の待合及び本家へつなぐ廊
Ka 西芳寺庭園 (特別名勝指定年月日1923.03.07 建立年代14世紀前半)
日本初の作庭家ともいわれる夢窓疎石の作庭で、上段は枯山水式、下段は池庭式とする二段構えの庭園で、当初は苔はなく、江戸時代末期に現在のような苔に覆われる状態となったようです。

 関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)
文化遺産オンライン(文化庁)

拝観について

西芳寺の参拝は寺院本来の宗教的雰囲気を保ち、皆様に心静かにお参りいただきたいという願いから「往復はがきによる事前申込」が必要となり、それ以外での参拝はできません。

住所:〒615-8286 京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56

夢窓疎石ってどんな人?

夢窓疎石は鎌倉時代から南北朝時代、室町時代初期にかけての臨済宗の禅僧です。夢窓国師・正覚国師・心宗国師、死後に普済国師・玄猷国師・仏統国師・大円国師と7代の天皇の帰依を一身に受けたといいます。一方で庭園デザイナーとして、また、歌集を残すほど和歌にも長けていたといいますから、禅僧としては感性面で突出した僧だったようです。

夢窓疎石設計による庭園

  • 西芳寺庭園 - 京都市西京区。世界遺産、国の特別名勝特別名勝
  • 天龍寺庭園 - 京都市右京区。世界遺産、国の特別名勝
  • 永保寺庭園 - 岐阜県多治見市。国の名勝
  • 瑞泉寺庭園 - 神奈川県鎌倉市。国の名勝
  • 恵林寺庭園 - 山梨県甲州市。国の名勝
  • 覚林房庭園 - 山梨県身延町。
  • ほか

まとめ

観光公害で苔が荒れ、現在のように予約制になったと聞き、それがちょっと寂しい気がしました。後世に残すべき遺産を大切にする心はいかなる人にも失ってほしくない。遺産に限らず観光地では観光被害に悩まされる人がたくさんいます。道徳やマナーについても今一度考えてみるべきだと思います。