ヘリテージ~受け継ぐべきもの

日本の宝を未来に遺すために今すべきこととは

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本願寺(西本願寺)と真宗大谷派(東本願寺)

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で本願寺についてみていきたいと思います。

本願寺

現在の本願寺は1633年頃に整えられたものです。以後、1657年に黒書院建立、17世紀末に南能舞台建立、1760年に本堂再建と諸建物が随時建立されるとともに、1811年、1848年、1861年、1911年に主要堂宇の修復が行われ、近代には、1909年飛雲閣、1927年北能舞台、1953年黒書院及び伝廊、1959年書院、1984年本堂の解体、半解体修理をはじめとする修理事業が行われています。現在、本願寺には桃山文化を代表する建造物や庭園が残り、聖人自筆の著述や影像等の法宝物、建造物など、宗教的にも歴史的にも価値の高い重要な文化財が数多くあります。書院、黒書院及び伝廊、唐門、北能舞台、飛雲閣が国宝に、大書院庭園が特別名勝に指定されているほか、日本における最大級規模の木造建築である本堂、大師堂、能舞台、鐘楼、浴室、玄関・浪之間・虎之間・太鼓之間の建造物が重要文化財に、滴翠園が名勝に指定され、世界遺産に登録されています。

世界遺産登録一覧より

飛雲閣 

国宝指定年月日1897.12.28 建立年代17世紀 

門主休息の楼閣で、滴翠園の池に面して建つ三層の楼閣で、京都三名閣(金閣・銀閣)の一つです。変化に富んだ屋根(三層は起りのある(凸型に勾配の中心がふくらんでいる屋根)宝形、二層は起りのある寄棟の三方に軒唐破風付、初層は反りのある(凹型に勾配の中心がへこんでいる屋根)入母屋を基本に北面西側に入母屋、東側の舟入りには唐破風造)や、さまざまな形態を配した窓など奇趣に富み、桃山時代の粋を集めた造りと言えるでしょう。 

唐門 

国宝指定年月日1898.12.28 建立年代17世紀前半 

対面所への最も格式の高い入口の屋根は入母屋造りで、最も格調高い檜皮葺平入りの屋根を持つ四脚門を基本に、前後の軒を大きな唐破風とし、多くの彫刻や飾金具によって豪華に飾られています。別名「日暮らし門」とも呼ばれています

書院 

国宝指定年月日1898.12.28 建立年代1618 

1618年に建てられた、豪壮華麗な書院造の様式の代表的なもので、公的な接客の場である対面所と私的な場である白書院とから構成されています。対面所の一部は畳を取り除くと能舞台となる構造となっています。

玄関、浪之間、虎之間、太鼓之間

重要文化財指定年月日1904.02.18 建立年代17世紀前半 

書院への入口及び御成りの場となる殿舎です。

 浴室

重要文化財指定年月日1908.08.01 建立年代17世紀前半 

数寄屋風の浴室となっています。

  • 廻廊 
    重要文化財指定年月日1908.08.01 建立年代17世紀前半
    浴室と飛雲閣をつなぐ廊下 

北能舞台 

国宝指定年月日1908.08.01 建立年代1581 

1581年に造られた書院の北側にある現存する最古の能舞台。一般の能舞台が切妻造であるのと異なり、入母屋造の破風を正面に向けている。

鐘楼

重要文化財指定年月日1910.08.29 建立年代1618 

梵鐘をつるす建物 

能舞台

重要文化財指定年月日1910.08.29 建立年代16世紀後半 

能、狂言の舞台 

  • 橋掛 
    重要文化財指定年月日1910.08.29 建立年代16世紀後半 
    楽屋から舞台への通路

本堂 

重要文化財指定年月日1913.04.14 建立年代1760 

中央に阿弥陀如来の木像、両脇にインド・中国・日本の七高僧の内、龍樹菩薩・天親菩薩・曇鸞大師・道綽禅師・善導大師・源信和尚の六師を、両余間に法然聖人と聖徳太子の影像を安置しています。(阿弥陀堂)

大師堂

重要文化財指定年月日1913.04.14 建立年代1636

中央に親鸞聖人の木像、両脇に本願寺歴代宗主の影像を安置し、両余間には十字名号(帰命尽十方無碍光如来)と九字名号(南無不可思議光如来)を安置しています。(御影堂)

黒書院 

国宝指定年月日1913.04.14 建立年代1657 

1657年完成と伝えられる法主の住房と考えられています。黒書院は茶の湯のための部屋を含む数寄屋風書院の代表的な遺構で、中心となる一の間・二の間には、畳床、付書院、透彫のある違棚、欄間をはじめとする書院造の要素がしつらえてあります。

伝廊

国宝指定年月日1913.04.14 建立年代1657 

伝廊は黒書院と対面所をつなぐ複廊です。

本願寺大書院庭園

特別名勝指定年月日1934.12.28 建立年代17世紀前半

虎渓の庭と呼ばれる大書院の東側にある枯山水式庭園で、滝、渓流、海を表した単純明快な構成ですが、色石やソテツを用いるなど派手で大胆な桃山時代の豪華さが表れています。 

滴水園

名勝指定年月日1958.06.12 建立年代17世紀前半

飛雲閣と黄鶴台とを主景とする池庭と隣接する茶庭からなる庭園

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)

文化遺産オンライン(文化庁)

拝観について

本願寺はどなたでもお参りできます。公式サイトで本日の予定(本日の法話など)を確認してから行くと良いでしょう。

https://www.hongwanji.kyoto/

〒600-8501
京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町
TEL (075)371-5181(代)
FAX (075)371-5310


本願寺は秀吉の命に応じ、寺基を度々移転していました。最後に京都六条堀川の地(現在の西本願寺)に移転して間もなく顕如上人が他界し、長男・教如(きょうにょ)上人が跡を継ぎましたが、三男の准如(じゅんにょ)上人にあてた譲状があり、末子の准如が本願寺住職を継職すべきとのことから、教如上人は隠退して裏方と呼ばれました。その後、教如上人は徳川家康に接近し、家康から烏丸七条に寺地を寄進されここに御堂を建立しました。ここに、覚如上人以来、親鸞聖人の法統を護持してきた本願寺は、教如上人が継職された東本願寺の起源で、この時から本願寺が西と東に分立することとなりました。

東本願寺

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東本願寺

「東本願寺」という通称は、「本願寺」(「西本願寺」)の東に位置するためにこう呼ばれるようになりました。正式名称は「真宗本廟」です。

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修復中でした

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修復完了御影堂門

2013年1月、御影堂門の修復が開始され、2015年12月に完了したそうです。これは完了後の門です。

高さ約28mの入母屋造・本瓦葺き・三門形式の二重門。京都三大門の一つ。

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御影堂

建築面積において世界最大の木造建築物で、境内のほぼ中心に位置する和様の道場形式の堂宇です。

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阿弥陀堂

御影堂の南側に位置する仏堂で、本尊・阿弥陀如来を安置する本堂です。御影堂の半分くらいの大きさです。

東本願寺は御影堂、阿弥陀堂以外は非公開です。

拝観について

開門閉門時間
3~10月 5:50~17:30
11月~2月 6:20~16:30
住所: 〒600-8505  京都市下京区烏丸通七条上る
代表電話 :TEL 075-371-9181
※電話受付時間:午前8時30分から午後5時まで (土曜・日曜・祝日・年末年始等の休日を除く)
参拝接待所(参拝に関する問い合わせ) :TEL 075-371-9210
※電話受付時間:午前9時から午後5時まで (年中無休)
※繁忙期は、時間帯によって電話に出られないことがあるようです。