「吉野山」は、吉野川(紀の川)南岸から大峰山脈へと南北に続く約8キロメートルに及ぶ尾根続きの山稜の総称であり、金峯山寺を中心とした神社や修験道の寺院、宿坊、商店などが立ち並ぶ地域でもあり、その全域が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録資産となっています。周囲には桜の林が広範囲に分布しています。これは、霊木である桜を献木するという宗教行為によって植え続けられてきたもので、古くから日本一の桜の名所として知られ、吉野山の谷から尾根を埋める桜はおよそ3万本。麓から下千本、中千本、上千本、奥千本と順に開花し、下の千本は吉野山でも最も古くから有名な桜の群落です。
吉野山の寺社仏閣・史跡スポット
山全体が世界遺産になっている吉野山には、修験道の寺をはじめ、歴史ある神社仏閣が数多く残っています。
金峯山寺
金峯山修験本宗の総本山で、修験道の祖・役行者が開いたと伝えられています。
金峯山寺は世界遺産の登録資産となっています。
金峯山寺の国宝「蔵王堂」と国宝「仁王門」重要文化財「金峯山寺銅鳥居」が世界遺産の登録資産となっています。
蔵王堂(国宝・世界遺産)
金峯山寺の本堂。創建以来、焼失と再建を重ね、現在のお堂は1592年ごろに完成した、高さ34m、四方36mの、木造古建築としては、東大寺大仏殿に次ぐ大きさを誇っています。
仁王門(国宝・世界遺産)
金峯山寺蔵王堂の北側の正門にあたる仁王門は、大阪や京都から逆峯入りする信者を迎えるため、北を向いています。三間一戸、人母屋造り、本瓦葺の楼門で、高さは20.3mあります。現在の建物の下層は南北朝期、上層は康正年間の建造と推定されており、金峯山寺に残る諸堂の中で最も古い建造物です。
金峯山寺銅鳥居(重要文化財・世界遺産)
高さ約7.5mの銅製の大鳥居で、吉野山から山上ヶ岳(大峯山)まで発心・修行・等覚・妙覚の4門あるうちの最初の門で、正しくは発心門といいます。
金峯山寺の拝観について
- 住所
- 〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山
- 問合せ
- TEL:0746-32-8371
- 拝観時間
- 本堂蔵王堂 8:30~16:00
塔頭脳天大神龍王院 8:30~16:00 - 拝観料金()は団体料金
- 境内無料
- 【蔵王堂拝観料】
- 大人 800円(720円)/中高生 600円 (540円)/小学生 400円(360円)
- ※秘仏御本尊特別開帳時は別途料金かかります
- 駐車場
- なし
- 最寄りの駅等
- ロープウェイ吉野山駅
吉水神社
かつては吉水院(きっすいいん)といい、修験宋の僧房の一つでしたが明治時代の神仏分離令で吉水神社と改められました。
吉水神社は世界遺産の登録資産となっています。
吉水神社の重要文化財「吉水神社書院」が世界遺産の登録資産となっています。
吉水神社書院(重要文化財・世界遺産)
日本最古の書院建築として世界遺産の登録資産の一つとなっています。後醍醐天皇玉座の間や義経潜居の間、太閤秀吉花見の間などがあります。
吉水神社の拝観について
- 住所
- 〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山579
- 問合せ
- TEL:0746-32-3024
- 拝観時間
- 9:00~17:00(受付は16:30まで)
- 年中無休
- 拝観料金
- 境内無料
- 【書院拝観料】
- 大人・大学生 600円/中高生 400円/小学生 300円
- ※団体料金は20名以上1割引きとなります
- 駐車場
- あり
- 最寄りの駅等
- ロープウェイ吉野山駅
如意輪寺
10世紀初めに真言宗のお寺として建立されました。のちに後醍醐天皇が吉野に行宮を構えた際に、後醍醐天皇の勅願寺と定められ、その後、江戸時代に真言宗から浄土宗へと改宗されました。
如意輪寺の拝観について
- 住所
- 〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山1024
- 問合せ
-
TEL:0746-32-3008(受付時間 9〜16時)
- 拝観時間
- 8:30~17:00(観桜期)
9:00~16:00(その他)
※時間外の場合、要連絡 - 拝観料金
- 大人 500円 /中高生 200円/小学生 100円
※団体割引あり - 駐車場
- あり(乗用車約200台分)
- ※観桜期の大型バスの駐車は要連絡
- 最寄りの駅等
- 近鉄吉野駅より徒歩35分 / タクシー7分
吉野水分神社
分水嶺に対する信仰を祭祀の起源とする神社で、社殿は本殿・拝殿・弊殿・楼門・回廊(いずれも重要文化財)からなり、現在の社殿は秀吉の意志を継いだ秀頼によって1604年に再建されたものです。
吉野水分神社は、世界遺産の登録資産となっています。
「みくまり」が「みこもり」となまり、子授けの神として信仰されています。
吉野水分神社の拝観について
- 住所
- 〒639-3115 吉野郡吉野町吉野山1612
- 問合せ
-
TEL:0746-32-3012
- 拝観時間
- 8:00~16:00(4月のみ8:00~17:00)
- 拝観料金
- 無料
- 駐車場
- あり
- 最寄りの駅等
- 近鉄吉野駅より徒歩35分 / タクシー7分
- バス停竹林院前から徒歩30分
金峯神社
吉野山の地主神、金山毘古命を祭神とする明神大社です。
金峯神社は、世界遺産の登録資産となっています。
境内左横を下った所に、追っ手に追われた義経が弁慶らと身を隠したという「義経隠れ塔」があります。
金峯神社の拝観について
- 住所
- 〒639-3115 吉野郡吉野町吉野山1651
- 問合せ
-
吉野水分神社:0746-32-3012
- 拝観時間
- 自由参拝
- 拝観料金
- 無料 / (義経隠れ塔 300円)
- 駐車場
- なし
- 最寄りの駅等
- バス停「奥千本口」より徒歩5分
大峯山寺
現在の本堂は、江戸時代の建立で、その後拡張されて現在の規模になりました。
大峯山寺は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素の1つです。
宗教的な理由から今なお女人禁制を守り続け、女性の入山は禁止されています。
大峯山寺の拝観について
- 住所
- 〒638-0431 洞川703
- 問合せ
-
TEL:0747-64-0001(龍泉寺)
- 登拝期間
- 戸開式 5月3日
戸閉式 9月23日 - 登拝期間が決められており期間外は登拝することが出来ません。
- 登拝について
- 本格的な登山道のようです。女人禁制です。
- 駐車場
- 有料駐車場あり(登山口)
- 最寄りの駅等
- 洞川温泉バス停
竹林院
聖徳太子が開き、空海も参籠したといわれる修験寺院。池泉回遊式の借景庭園の群芳園は、千利休が作庭し、細川幽斎が改修した庭園です。大和三庭園(慈光院、當麻寺中之坊庭園)の一つで、宿泊も可能です。
「じゃらん」で宿泊予約できるようです。
公式サイトはこちらです。
公式サイトが一番お得。ベストレート保証・吉野山 旅館 竹林院群芳園 「公式サイト」
竹林院の基本情報
- 住所
- 〒639-3115奈良県吉野郡吉野町大字吉野山2142
- 問合せ
-
TEL:0746-32-8081
FAX:0746-32-8088
- 駐車場
- あり
桜の名所としての吉野山
吉野山は古来、金峯山寺を中心とする修験道の根本道場で、桜は修験道のご神木です。そのため桜は大切にされ、信者の献木によって数を増やしてきました。今ではおよそ3万本ともいわれる桜の名勝となっています。桜の時期は電車での移動をお勧めします。駐車場はすぐに満車になるそうです。また、有料バスや臨時バスもあります。
下千本
吉野山の玄関口で、標高は約230m~350m。近鉄吉野駅あたりから金峯山寺あたりまでを言います。
下千本駐車場の場所
中千本
金峯山寺あたりから竹林院あたりまでで標高は約350m~370m。下千本駐車場から歩いて15分ほどです。
上千本
竹林院あたりから吉野水分神社あたりまでを言い標高は約390m~600m。急な坂道が続きます。桜の時期には吉野山各所から有料バスや臨時バスに乗ることで行くことが可能です。
奥千本
金峯神社より上で西行庵あたりまでを言い標高は約600m~750m。最も遅く見ごろを迎えます。
吉野山の桜のビュースポット
花矢倉展望台
標高570mに位置し、吉野山全体が眺められる展望台で、吉野山の中でも特に眺めの良いスポットとして知られています。
〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山1711
昭憲皇太后御野立跡
吉野山下千本エリアにある展望所で、ベンチも備えられています。明治天皇の皇后の昭憲皇太后が吉野山の桜を眺望された場所で、七曲りを眼下に下千本を一望できます。
〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山
如意輪寺付近
境内の庭園から見渡せ、如意輪寺すぐ近くを通る観光車道からの眺めもおすすめです。バス停如意輪寺口から徒歩10分。駐車場もあります。
西行庵
吉野山の中でも一番山奥にあり、桜を愛した歌人・西行法師が武士を捨て、法師となり3年間侘住まいをしたとされます。
〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山639−3115
吉野山の紅葉
桜の名所は秋の景色も絶景です。「桜紅葉」という言葉もあるとおり、桜は古くから紅葉も観賞されてきました。楓の紅葉よりも半月ほど早く紅葉の見頃を迎えます。桜の品種の中でも桜紅葉が美しいのがソメイヨシノです。ソメイヨシノは紅葉するタイミングが比較的揃っているため、一斉に赤や黄色に色づき、見ごたえある桜紅葉となります。桜紅葉が美しい木もあれば、色づく前に散る木もあります。シダレザクラなどは色づく前に茶色く枯れて散ることが多く、葉のサイズも小さめです。桜で有名な吉野山ですが、紅葉も見ごたえがあるようです。