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琉球王家最大の別邸「識名園(しきなえん)」

識名園とは

1799年に造営された琉球王家最大の別邸です。1941年、国の名勝に指定されましたが、1945年第二次世界大戦で甚大な被害を被り、1976年に再指定されました。2000年には国の特別名勝に指定され、日本庭園文化において琉球地方で確立した独自の庭園デザインを示す貴重な事例として「設計された文化的景観」に該当するとして同年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとしてユネスコの世界遺産に登録されました。

1975年から1996年まで、遺構調査に基づいた綿密な修復工事が行われました。

識名園(しきなえん)が果たした役割

王家別邸の林泉庭園として1799年に築庭され、首里城の南にあることから南苑ともよばれました。王族の保養の場としてだけなく、中国皇帝の使者である冊封使を饗応する場所としても利用され、国の外交面において重要な役割を果たしました。

識名園の建造物

庭の地割には17~18世紀の日本庭園の影響が、池の建物には中国の影響がそれぞれ伺えますが、全体的には琉球独自の構成や意匠を主体としています。池を中心とする廻遊式の庭園で、池の周囲に御殿・築山・花園が置かれ、池には小島が2つあり、中国式のアーチ型の橋が架かっています。小島のひとつには中国風の六角堂が建てられています。池を廻遊する園路には高低差がつけられ視野に変化を付ける工夫が施されています。

正門

王族や中国皇帝の命をうけた冊封使はこの門から出入りしていました。屋門(ヤージョウ)と呼ばれる瓦屋根をのせた門構えとなっていて、当時は非常に格式の高い屋敷にのみ許されていました。

番屋

番人の詰所でした。

育徳泉

池の北岸西部にある識名園の池の水源のひとつで、冊封正使・趙文楷の筆になる二つの石碑が建っています。ここに生える淡水産の紅藻類「シマチスジノリ」は国の天然記念物です。

御殿

当時の王国の上流階級にだけ許された赤瓦葺の木造平屋建てで、軒などに琉球地方独特の民家風の趣が取り入れられています。御殿には15の部屋があり、雨や湿気に強い槙の木で作られています。

池/六角堂

識名園の池は「心」の字を模した形をしていて、「心字池」と呼ばれます。池の小島に六角形のあずまやが建てられています。中国風の建築で、屋根の形や瓦を黒く色付けているところからその様子がうかがえます。

中国風の石橋

池の中にある小島に大小2つの石橋があり、ともに橋の中央が高くなったアーチ形の中国風のデザインとなっています。

識名園(しきなえん)の見学について

住所
〒902-0072 沖縄県那覇市字真地421-7

Google マップ

 電話
098-855-5936
観覧時間
4月1日~9月30日 午前9時~午後6時(入場締め切り 午後5時30分)
10月1日~3月31日 午前9時~午後5時30(入場締め切り 午後5時)
休園日
毎週水曜日
(その日が休日又は「慰霊の日」(6月23日)のときは、その翌日)
観覧料
大人:400円(団体320円)
小人(中学生以下):200円(団体160円) 
※団体扱いは20名以上。
※小学校就学未満かつ保護者同伴時の場合無料。