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日高山脈襟裳十勝国立公園

北海道の見どころ

日高山脈襟裳十勝国立公園(2024年6月25日指定)とは

国内で35か所目、道内では7か所目の国立公園として、2024年6月25日に指定されました。

国立公園指定の要件は、風景型式を景観の特徴によりに分類しますが、日高山脈襟裳十勝国立公園は、地殻変動を受けて形成された非火山性連峰を基盤に、山地を核として育まれた深く原生的な自然林生態系が広がる風景を風景型式としています。中でも、日本列島の形成過程を反映した山脈が内陸部から海まで延々と連なる雄大さと、その山脈一帯が原生性を有する自然状態のまま我が国最大規模のまとまりを持って存在することが、傑出した自然の風景地として認められました。

北海道中央南部に位置する日高山脈は、稜線部にカール(圏谷)・ホルン(氷食尖峰)・アレート(鋸歯状山稜)といった氷河の侵食作用でつくられた特有の地形と、山岳景観がみられ、稜線部から山麓部にかけては、自然度の高い森林や河川が存在し、動植物に関しても固有種及び希少種の生育地等となっています。日高山脈から続く襟裳岬は、海岸景観が優れ、海岸部には海成段丘も発達し、日高山脈の南端に位置するアポイ岳は、固有種の宝庫となっています。

日高山脈襟裳十勝国立公園の範囲

日高山脈一帯、アポイ岳周辺、豊似湖周辺、襟裳岬やその周辺海域等

公園面積:252,177ha
【陸域】245,668ha(国有地:213,256ha、公有地 27,745ha、私有地等 4,667ha)
【海域】6,510ha

保護規制計画

特別保護地区:73,743 ha

【日高山脈主稜線とその山麓】北は熊見山から南は広尾岳に至る日高山脈の主稜線部

【アポイ岳周辺】アポイ岳からピンネシリに至る稜線部

第一種特別地域:30,329 ha

【日高山脈主稜線とその山麓】高山帯、亜高山帯の地域

【日高山脈西部】寿都似山(標高1,011m)並びに額平川支流の山岳地及び渓谷、比宇川源流域西部及びエチナンゲップ山(標高702m)南東側の山岳地。

【アポイ岳周辺】アポイ岳からピンネシリに至る稜線部周辺地域

【豊似岳・豊似湖周辺】日高山脈最南端のオキシマップ山、豊似岳等からなる山地の稜線部や豊似湖周辺

【海岸部】襟裳岬海成段丘の平坦地

第二種特別地域:35,102 ha

【日高山脈主稜線とその山麓】高山帯、亜高山帯の地域

【日高山脈西部】貫気別山(標高1,317m)~リビラ山(標高1,291m)~ピウ岳(標高1,134m)の稜線沿いを含む地域

【アポイ岳周辺】アポイ岳の南西山麓及び利用拠点となる地域

【海岸部】襟裳岬から広尾町に至る海岸部

第三種特別地域:55,101 ha

【日高山脈西部】於曽牛山(標高898m)及び貫気別山~リビラ山~ビウ岳の稜線、糠平山(標
高1,350m)を含む地域

普通地域(陸域):51,392 ha
普通地域(海域):6,510 ha

関係市町村

【十勝管内】帯広市・清水町・芽室町・中札内村・大樹町・広尾町
【日高管内】日高町・平取町・新冠町・浦河町・様似町・えりも町・新ひだか町

日高山脈襟裳十勝国立公園の歴史

日高山脈は、新第三紀以降に大陸プレート同士の衝突によって形成されました。

国立公園に指定されるまで

<年表>
1950年8月15日 襟裳道立公園に指定 
1958年4月1日 襟裳道立自然公園に移行
1981年10月1日 日高山脈襟裳国定公園に指定
2010年 国立公園の新規指定又は国定公園の大規模拡張候補地に選定(国立・国定公園総点検事業)
2016年~2019年 日高山脈襟裳地域及び周辺地域の自然環境等の調査
2019年 関係13市町村長より国立公園指定要望書が提出される
2020年~国立公園の新規指定に向けた調整開始
2024年6月25日 日高山脈襟裳国定公園を解除・日高山脈襟裳十勝国立公園に指定

日高山脈襟裳十勝国立公園の地形・地質

南北およそ140km にも連なる雄大な日高山脈は、容易には人が近づけない、奥深く、険しい山岳地帯となっています。

  • 日高山脈の稜線部には、カール(圏谷)、ホルン(氷食尖峰)、アレート(鋸歯状山稜)といった氷食地形がみられ、切り立った山岳景観を呈しています。山麓部は、多数の河川により発達した広大な河成段丘や扇状地河成段丘や扇状地が形成され、山脈の東側は段丘化した開析扇状地が日本でも有数の広さを誇る十勝平野に続いています。襟裳岬は、海食崖や岩礁を主体としています。
  • 日高山脈は、新第三紀以降に大陸プレート同士の衝突によって形成されました。衝突の際、東側のプレートの地殻がめくれ上がるように突き上げられ、山脈の大部分を占める日高変成帯は、本来なら地下深くにある地質断面が連続的に地表に現れているため、観察することができます。このような場所は世界的に見ても珍しく、アポイ岳周辺には、地球深部の情報を持っている、風化していない新鮮なかんらん岩が見られます。
  • アポイ岳周辺のかんらん岩は、変成作用の影響が少ない上部マントル鉱物からできており、岩体を構成する岩石タイプが極めて多彩で、稀である。

日高山脈襟裳十勝国立公園の生き物

海岸から内陸にまで南北に長く、標高差が大きいことから、環境が多様で、生物多様性に富んでいます。針葉樹林、広葉樹林、高山植物、固有種など豊かな植生が見られ、国の天然記念物・ヒメチャマダラセセリやシマフクロウなど希少な生き物も生息しています。

日高山脈襟裳十勝国立公園の植生

日高山脈襟裳十勝国立公園やその周辺には広大な自然林が広がっています。その様相は様々で、地形・地質・気象が影響しています。また、日高山脈は多くの河川の源流部となっていますが、これらは自然
度が高く人工構築物が存在しない原生流域で、我が国最大の原生流域となっています。特に、日高山脈の主稜線一帯、アポイ岳の高山植物群落地域及び幌満ゴヨウマツ自生地等、高山植生、針葉樹林、広葉樹林又は針広混交林で原生的な状態を保持している地域を特別保護地区に指定して厳重な保護を図ることとしています。

主稜線(日高山脈一帯)

【山脈の西側北部】
エゾマツ・トドマツから成る針葉樹林
超塩基性岩地に依存して隔離分布する超塩基性岩植物(ユキバヒゴタイやカトウハコベ等)
【山脈の西側南部】
トドマツ・ミズナラ・エゾイタヤ等から成る針広混交林
【東側】
形が急峻で雪崩の影響を受けやすいため針葉樹は定着せず、ダケカンバが優占
【山麓】
落葉広葉樹と北方系の針葉樹が混交する森林
西側には道内ではやや珍しいミツデカエデやアカシデなどを含む冷温帯性の落葉広葉樹林
【沙流川流域】
エゾマツやトドマツを主体とする亜寒帯性の針葉樹林

アポイ岳

森林化せず、高山植物や超塩基性岩植物が生育
ヒダカソウやエゾコウゾリナのほか、アポイの名を冠する固有種や希少な隔離分布種などが数多く分布

日高南部

キタゴヨウやヒダカミツバツツジ等の温帯性植物の北限の自生地(ゴヨウマツのほかヒダカミツバツツジ)

日高山脈襟裳十勝国立公園の野生生物

動物相も多様で、山麓部を中心に、日高山脈の南部や襟裳岬付近の海岸、森林地帯など、様々な野生生物が生息しています。

【哺乳類】
氷河期の遺存種といわれるエゾナキウサギ、ミヤマムクゲネズミ、大型哺乳類のヒグマ、エゾシカ、海生哺乳類のゼニガタアザラシ等

【鳥類】
生態系上位種で希少種であるクマタカ、シマフクロウ等

【昆虫類】
チョウ類では国指定天然記念物であるカラフトルリシジミ、ダイセツタカネヒカゲ(日高山
脈稜線部の高山帯)、ヒメチャマダラセセリ(アポイ岳)等

【陸産貝類】
アポイマイマイ

【甲虫類】
チビゴミムシ類など

日高山脈襟裳十勝国立公園の文化(アイヌ文化)

日高山脈の山麓には、昔から、各地にアイヌの人々が住み、日高と十勝の文化の保存と伝承に努めてきました。日高山脈はアイヌのイオル(伝統的生活空間)としても重要で、北海道内のアイヌ民族にとって重要な生活文化の中心地の一つです。また、アイヌの精神文化の一つとしてカムイ(アイヌの神)である霊峰ポロシリ(幌尻岳)をはじめとする日高山脈や襟裳岬は、祈りや崇拝などの対象として重要な場所とされています。このように、日高山脈襟裳十勝国立公園は、文化景観としての価値も高く評価されています。

日高山脈襟裳十勝国立公園周辺のみどころ

日高山脈と周辺海域・十勝平野から見た日高山脈・襟裳岬・幌尻岳(七つ沼カール)が国立公園を代表する景観地域となっています。日高山脈には一般的な登山コースが整備されていません。山頂には道のない沢を登らなければならず、アプローチも長いことから難度の高い山として知られています。一方で、山麓部には低山も複数あり、北日高岳、ペケレベツ岳、剣山やアポイ岳等は山域が小規模で登山道があることから日帰り登山が一般的で、山頂からは雄大な自然景観を楽しむことができます。平野から眺望する日高山脈については、その美しい山並み景観から、芸術の対象とされてきました。様似町とえりも町は、明治以降、海岸線に道路が整備され、現在は山道の整備が行われ、山道のトレッキングを楽しむことができます。

日高山脈地区

山麓部における自然探勝や展望利用等が主な利用形態となっています。最高峰の幌尻岳をはじめ札内岳、十勝幌尻岳、ペテガリ岳、楽古岳など標高1,500 mから2,000 m級の山々が連なり、稜線は鋭く切れ込んだナイフエッジとなっています。「幌尻岳の七つ沼カール」は日本の地質百選の一つに選定されています。

※登山については素人どころか全く経験がないためhttps://yamap.com/https://www.yamakei-online.com/を参考にしています。

楽古岳

標高:1,472m
登山口:浦河町字上杵臼
林道の通行状況についてのお問い合わせ先:0146-22-2451(日高振興局森林室)

日高山脈南部に位置し、山頂はピラミッド形の端正な山容となっています。地上からの360度の展望が魅力で、山頂からは十勝の景色が広がります。日高山脈の魅力を最も手軽に味わえるのがこの楽古岳で、登山口には山荘は楽古山荘があります。

楽古山荘
住所
〒057-0173 北海道浦河郡浦河町上杵臼
問い合わせ先
ファミリースポーツセンター(TEL 0146-22-3953)
営業期間
通年
予約
不要
料金
無料
収容人数
40名
URL
なし

神威岳

標高:1,601m
登山口:浦河町字野深
林道の通行状況についてのお問い合わせ先:0146-22-3189(日高南部森林管理署 西舎・野深森林事務所)

アイヌ語で神の山を意味する神威岳は、日高山脈南部にあり、広尾郡大樹町と浦河郡浦河町とにまたがる威風堂々とした山で南にあるソエマツ岳・ピリカヌプリと合わせて南日高三山と総称されます。登山口までは国道から50分かかり、その約半分は沢歩きとなります。また、わかりにくい場所なので、経験のある方との同行を推奨されているようです。

カムイ山荘

神威岳(浦河町)に登るためのベースとなる場所です。カムイ山荘へは、自家用車またはタクシー以外に交通手段はありません。カムイ山荘の手前13Km地点に車両通行止めのゲートがあり、このゲートは、日高南部森林管理署に申請すると、車両による通行が許可されます。

住所
〒059-3454 北海道浦河郡浦河町野深
問い合わせ先
ファミリースポーツセンター(TEL 0146-22-3953)
営業期間
通年(無人)
予約
不要
キャンプ場
10張
収容人数
10人
URL
なし

ペテガリ岳

標高:1,736 m
登山口:浦河町字野深

日本二百名山の一つで、登山道に難所が多く「はるかなる山」と言われています。

ペテガリ避難小屋(ペテガリ山荘)

こちらについての情報は古いものしか見当たりませんでしたので、現在の状況はわかりません。新ひだか町役場に問い合わせていただくと良いかもしれません。

こちらのサイトも参考になると思います。
登山情報:北海道森林管理局

住所
〒089-2262 北海道広尾郡大樹町相川
問い合わせ先
新ひだか町役場(TEL 0146-43-2111)
営業期間
通年(無人)
料金
1人500円
キャンプ場
20張
収容人数
60人
URL
なし

広尾・襟裳岬海岸及び豊似湖周辺地区

海岸沿いは優れた風景を持ち、車道が整備されているため、利用者も多く、海岸と襟裳岬背後の丘陵地帯は、海岸段丘の発達により海抜350 mまでの間に4つの段丘面が区別し、豊似湖は自然湖であり、上空から見た形がハートに見えることから「ハートレイク」として親しまれています。

襟裳岬

襟裳岬についてはこちらの記事をご覧ください。
襟裳岬の初日の出

さんごの滝

アポイ岳周辺地区

アポイ岳、吉田山、ピンネシリ一帯のアポイ山塊と幌満岳は、世界ジオパークにも指定され、利用者が比較的多い地域です。

十勝幌尻(ポロシリ)岳

標高:1,846m
登山口:戸蔦別川林道
林道の通行状況についてのお問い合わせ先:0146-42-1615(日高南部森林管理署)

日高山脈の北部・東側に十勝幌尻岳があり、十勝平野から日高山脈を眺めたとき、ひときわ大きくそびえています。ポロシリはアイヌ語で「大きい・山」を意味し、昔からカムイ(アイヌの神)が鎮座する山、カムイヌプリ(神聖な山)として崇められてきました。

ヒグマやエゾシカ・キタキツネ・エゾクロテンのほか、高山帯にはシマリスやナキウサギなどが生息しています。

新冠避難小屋(イドンナップ山荘)・奥新冠避難小屋(新冠ポロシリ山荘)

新冠ポロシリ山岳会が維持管理しています。

住所
北海道新冠郡新冠町岩清水
問い合わせ先
新冠ポロシリ山岳会(TEL 0146-22-3953)
営業期間
7月~9月(公式サイトでご確認ください)
予約
利用届、利用申請書を公式サイトからダウンロードしてメールにてお申し込みください。
URL
https://poroshiri.info/index.html

岩内仙峡

住所:帯広市岩内町
TEL:0155-22-8600(問合先/(一社)帯広観光コンベンション協会)

岩内川をさかのぼった日高山麓にある渓谷で、特に紅葉の季節はお勧めの景勝地です。毎年10月中旬に「岩内仙峡もみじまつり」が開催されています(見頃は10月中旬~10月下旬)。

連絡先

国立公園の区域の確認や許認可等の相談は、次の連絡先をご利用ください。

  1. 北海道地方環境事務所 
    〒060-0808 北海道札幌市北区北8条西2丁目 札幌第一合同庁舎3階/℡:011-299-1950
  2. 帯広自然保護官事務所
    〒080-0047 北海道帯広市西17条北3丁目13-12/℡:0155-34-5500
  3. 新ひだか自然保護官事務所
    〒056-0016 北海道日高郡新ひだか町静内本町5丁目1-21/℡:0146-49-2172
  4. えりも自然保護官事務所
    〒058-0203 北海道幌泉郡えりも町字新浜61-15/℡:01466-2-2204

公園内の最新の観光情報等は、関係する市町村へもご確認ください。 

  1. 【帯広市】とかち観光情報センター
    〒080-0012 北海道帯広市西2条南12丁目 JR帯広駅エスタ東館2階/℡:0155-23-6403
  2. 【中札内村】中札内村観光協会
    〒089-1330 北海道河西郡中札内村大通南7丁目/℡:0155-68-3390
  3. 【清水町】十勝清水町観光協会
    〒089-0192 北海道上川郡清水町南4条2丁目2(事務局)/℡:0156-62-1156 (清水町役場商工観光課)
  4. 【大樹町】大樹町観光協会
    〒089-2195 北海道広尾郡大樹町東本通33(大樹町役場企画商工課内)/℡:01558-6-2114 (代表)
  5. 【芽室町】芽室町観光物産協会
    〒082-0030 北海道河西郡芽室町本通1丁目19めむろーど1階(めむろまちの駅内)/℡:0155-66-6522
  6. 【広尾町】広尾町観光協会
    〒089-2614 北海道広尾郡広尾町西4条7丁目1(広尾町役場水産商工観光課内)/℡:01558-2-0177
  7. 【十勝管内】十勝観光連盟(とかち晴れ)
    〒080-0012 北海道帯広市西2条南12丁目 JR帯広駅エスタ東館2階/℡:0155-22-1370
  8. 大樹町観光協会【大樹町】
    〒089-2195 北海道広尾郡大樹町東本通33(大樹町役場企画商工課内)/℡:01558-6-2114 (代表)

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その他、周辺の見どころについては下記の記事でも紹介しています。

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