太平洋・日本海・オホーツク海の三つの海に、寒流(千島海流)と暖流(対馬海流)が豊かな海の恵みを運んできてくれます。北海道で撮れる魚の種類は、ベーリング海などの北方系に属しますが、対馬海流の影響で、南方系の魚も水揚げされています。また、稚魚を放流するなど、育てる漁業も盛んで、その生産量も増え続けています。
蟹
蟹にははさみ一対と足が四対の合計10本の足があります。北海道で獲れるタラバガニや花咲ガニは8本足で、分類上はヤドカリの仲間となりますが、一般的に蟹として扱われているため、ここでも蟹として紹介します。
毛ガニ
北海道沿岸から南は三陸沖、北陸辺りまで生息しています。特に北海道沿岸で多く獲れます。近年はロシアからの水揚げも多くなっていますが、北海道沿岸で獲れるものに比べ、ミソが少ないため、北海道沿岸のものが上物とされています。旬は4~6月です。
〈ポイント〉400~700gで手で持ってずっしりとしていて、ピンク色のものを選んでください。毛ガニは冷凍焼けすると黒っぽくなります。
くりがに
毛ガニと似ていて、稀に毛ガニとして販売されています。毛ガニよりも小さく味も落ちます。ラーメンなどに使われます。
〈ポイント〉毛ガニとして売られている中で300g位のもので、価格の安いものはクリガニかもしれませんので、注意しましょう。
ズワイガニ
福井では「越前ガニ」山陰では「松葉ガニ」秋田では「タラバガニ」と呼ばれています。ベーリング海やオホーツク海に分布し、旬は11~3月。越前ガニや松葉ガニに比べて値段も安くお買い得です。近年はロシアやアラスカからの冷凍品の入荷も増えてきています。
タラバガニ
たらの漁場で獲れたためこの名前が付きました。日本海沿岸からオホーツク海など寒海に分布しています。蟹の王様とも言われ、大きいものは8kg、両足を広げると1m近くにもなります。
〈ポイント〉タラバガニよりも味は若干劣ると言われるアブラガニ。タラバガニとアブラガニは近縁種のため見分けがつきにくく、アブラガニはタラバガニよりも少し小ぶりで、価格も落ちます。たまにアブラガニをタラバガニと偽る業者もいるようなので注意が必要です。見分け方は背中の中央の下の部分のトゲの数。タラバガニは左右に3つずつ合計6コ。アブラガニは2個ずつで合計4つと言われています。アブラガニの方がトゲが少なくタラバのトゲの方が鋭いようです。アブラガニをアブラガニとして購入する場合は、値段も手ごろで、味もタラバガニとそれほど遜色なく、身入りも良いのでおすすめです。
花咲ガニ
根室半島から北方領土にかけて獲れます。足が太く、とげが多く、甲羅も固いので食べるときは食用ハサミが必要です。産地では蟹ばさみという専用のはさみもあります。8月から9月の浜ゆでのものがおすすめです。
〈ポイント〉冷凍ものは身入りが悪いものもあるので必ず手で持って確認してから購入しましょう。
海老
エビなどの甲殻類のキチン質と言われる殻の部分は便秘を防いだり、コレステロールを下げる作用があると言われているそうです。
北海赤えび
甘エビとして知られ「なんばん海老」とも呼ばれています。刺身やお寿司の種として使われています。旬は10月で、富山湾以北の日本海など、寒海性の海老です。12月~3月は資源保護のため禁漁となっています。
ボタン海老
甘エビよりも大きく、体長17cm位にまでなります。主に北海道沿岸や日本海沿岸で底引き網やエビかご網などにより漁獲され、特に刺身や寿司種として使われます。
北海しまえび
正式には北海海老と言います。ボイルすると鮮やかな赤色に染まります。太平洋とオホーツク海沿岸に分布し、主に野付湾・サロマ湖・能取湖が漁場となっています。ほとんどがボイルして食用とします。
鮭
太平洋の寒流域に棲み、川で産まれ海で育ち川に戻り、産卵する母川回帰という性質を持ちます。
シロザケ
一般に鮭と言えばこれを言います。体長55cm~1mくらい。まだ海にいて餌をとり銀色に輝くシロザケを「銀毛」と呼びオスの方が美味です。通常シロザケは新巻きかルイベで食べます。
<時鮭>「トキシラズ」とも言われ、時季外れに獲れ、身は太り、脂乗りもよく、極めて美味。人気もありますが高価となっています。
<目近>目と目の間隔が狭いため名付けられました。脂乗り・味よく高価となっています。
ますのすけ
英語名「キングサーモン」。鮭の中で最大で体長2mに達し、シロザケに交じって回遊中のキングサーモンが混じることがありますが、日本の川に遡上することはありません。刺身・燻製・ステーキなど用途はいろいろありますが量が少なく高価となっています。
銀鮭
養殖が盛んになり初夏に出荷されるようになりました。もともと日本の川に遡上しませんでしたが北洋で漁獲され、新巻きに加工されていました。今は養殖物が出回り、寿司種としても扱われるようになりました。他にムニエルや塩焼などにも利用されます。
紅鮭
海に下らず淡水で過ごすものを「ヒメマス」といいます。脂がのり、美味。
ウニ
通常食べているのはウニの卵巣にあたります。そのため産卵期前が特に美味しくいただけます。
ウニが苦く感じられるのはミョウバン水に漬けてから出荷するためです。生うには甘く産地でしか味わえません。最近は生うにに近い状態で、塩水ウニが流通するようになりました。ウニを選ぶ際、「ミョウバン不使用」とコメントがあると思います。
エゾバフンウニ
産卵期7~10月。直径6~7cm位で、赤みが強く味はこまやか。
北紫ウニ
産卵期9~11月。直径10cm位で、エゾバフンウニよりも深場に生息しています。
昆布
北海道は昔から質の良い昆布に豊富に恵まれ、昆布漁が盛んに行われてきました。北海道で日本の採取量の90%以上を占める昆布は、6~7種類食用として道内で生産・加工されています。
真昆布
上品な甘味の澄んだ出汁が取れます。
利尻昆布
真昆布より固め。塩味がかった澄んだ出汁が取れます。
羅臼昆布
濃厚な風味の出汁が取れます。やや黄色く濁ります。
日髙昆布
煮物用昆布の代表です。
まとめ
北海道ではこのほかたこやイカ・ほっけ・きちじ・さんま・ニシン・ししゃもも特産品として人気があります。また、貝類ではホタテやホッキ・エゾアワビも人気となっています。配送技術や冷凍技術が発達し、通信販売を利用すればご自宅でも十分美味しい商品が届きます。
また、ウニのように獲れたてしか味わえないものもあります(塩水ウニやミョウバン使用のウニは流通しています)ので、旅行の際には是非地元のものを堪能していただきたいと思います。
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北海道網走水産
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