知床
羅臼町と斜里町に位置する「知床」は、1964年国立公園の指定を受け、2005年には「知床」の世界遺産リストへの登録が正式に決定されました。
知床(国立公園 1964年6月1日指定)
知床はアイヌ語でシリエトク(地の果て)という意味があり、切り立った断崖絶壁を持つ半島部がオホーツク海に突き出し、現在も手つかずの大自然が残っています。国内最東北端に位置する知床半島中央部から知床岬までの周辺海域を含む約60,000ヘクタールが公園区域になっていて、内「特別保護地区」が陸域公園面積の半分以上を占めています。
知床には、その自然の雄大さを体感できる楽しみ方がいろいろあります。観光船を利用すれば、海上から知床の自然景観や野生動物たちの姿をみることができ、シーカヤック・ツアーに参加すれば、さらに知床の自然を感じられるでしょう。
※冬期は積雪のため、通行止めとなる道路があります。また季節により、環境保全のため交通規制があります。
知床国立公園 範囲
知床国立公園の面積は38,636ha(陸域のみ)で、その内訳は国有地が36,216ha・ 公有地760ha・私有地1,660ha、斜里郡斜里町と目梨郡羅臼町の2町にまたがっています。
特別保護地区:23,526ha
第1種:3,822ha
第2種:3,249ha
第3種:8,039ha
こちらの地図でご確認ください。
http://www.env.go.jp/park/common/data/02_shiretoko_map_j.pdf
知床(世界遺産 2005年7月17日指定)
構成資産: 核心地域34,000 ha/緩衝地域: 37,100 ha
(陸域:約48,700ha・海域:約22,300ha)
合計:71,100ha(2005年7月現在)
世界遺産登録地は、環境省および林野庁による各種の保護地域に指定されているために、自然環境の保全がなされています。また、登録地は、核心地域と緩衝地域に区分され、核心地域である34,000 haは、主に遠音別岳原生自然環境保全地域、知床国立公園特別保護地区および同第 1 種特別地域、知床森林生態系保護保存地区並びに国指定知床鳥獣保護区特別保護地区によって占められ、緩衝地域37,100 haは核心地域の周辺および沖合い3 km を含む区域で、知床国立公園特別保護地区、第 1、2、3 種特別地域および普通地域(海域)、知床森林生態系保護地域保全利用地区並びに国指定知床鳥獣保護区によって占められています。
世界遺産登録基準:(ix)(x)
【登録基準の証明】
○ クライテリア(ix)(生態系):
知床は北半球で最も低緯度に位置する季節海氷域であり、季節海氷の形成による影響を大きく受け、特異な生態系の生産性が見られるとともに、海洋生態系と陸上生態系との相互関係の顕著な見本である。
○ クライテリア(x)(生物多様性):
知床は海洋性及び陸上性の多くの種にとって特に重要であり、これらの中にはシマフクロウ、シレトコスミレなど多くの希少種や固有種を含んでいる。遺産地域は多くのサケ科魚類、トドや多くの鯨類を含む海棲哺乳類にとっても世界的に重要である。知床は世界的に希少な海鳥類の生息地として重要であるとともに、渡り鳥類にとって世界的に重要な地域である。http://dc.shiretoko-whc.com/index.html「知床データセンター」より引用
生態系では、冬、流氷とともに運ばれてくる栄養分はプランクトンを養い、知床の海を豊かにし、海獣類、鳥類など、海の生物の糧となります。回遊して海の豊かさを蓄えたサケの仲間は、川に遡上し、そこで山の生き物の餌となり、死骸は土に返り知床の森を豊かにします。海と陸の食物連鎖が知床の価値を高め、その食物連鎖を見ることができるとても貴重な自然環境であることが評価されました。また、生物多様性では、希少な動植物の生息地となっていることが評価されました。加えて知床はこれらを保全していくための管理体制が整っていることも評価の対象となっています。
知床における自然保護制度とそのエリア
知床は、環境省や林野庁により自然環境保全のための様々な指定を受けており、その指定地域について環境省、林野庁、北海道、羅臼町、斜里町が連携を取り合って、日本でもトップレベルの保護管理体制が整っています。
法律等に基づく地域の指定状況
- 遠音別岳原生自然環境保全地域(自然環境保全法)
- 知床国立公園(自然公園法)
- 知床森林生態系保護地域(国有林管理経営規定)
- 国指定知床鳥獣保護区(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)
法律に基づく種の指定状況
-
国内希少野生動植物種オジロワシ、オオワシ、シマフクロウ等多数(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)
- 天然記念物オジロワシ、オオワシ、エゾシマフクロウ、クマゲラ、カラフトルリシジミ(文化財保護法)
知床国立公園100平方メートル運動
知床観光ブームや土地投機の波により、開拓跡地が投機目的で買収されていく中、1977年に斜里町が、開発から自然を守るため運動をはじめました。イギリスのナショナル・
トラスト運動にヒントを得て、全国からの寄金で町が土地を買い取り、土地の保全と植林による森の復元を目指したのが「しれとこ100平方メートル運動」です。この運動は、20 年後の 1997 年に運動対象地の約95%に当たる土地を買い上げました。これを機に、保全した土地の譲渡不能の原則を定めた条例を制定し、未来永劫この森を守り続けることを明確にしました。
現在は新たな活動「100平方メートル運動の森・トラスト」へと発展。現在は森づくりの活動を継続して行っています。これは、植林した木を育て、森をつくり、そこに生息していた野生の生き物たちを再び迎え入れるという、自然の生態系の再生をめざす運動を進めていくことです。
知床の生物
原始の様相を数多く残す知床には、多くの野生生物達が命の営みを続け、高山植物の種類は233種を数え、半島全体では800種以上の植物が原生の森を形づくっています。
陸上動物では、世界的にも高密度で生息するヒグマや、オオワシ、シマフクロウといった希少種をはじめとする260種以上の鳥類が見られ、沿岸海域ではクジラやシャチ、トド、アザラシといった海性哺乳類の姿も見ることができます。
また、河川を遡上するサケ・マスの群れや、それを補食するヒグマの様子も見ることができます。
知床の動物
知床は、ヒグマを始め、エゾシカ、キタキツネ、エゾクロテン、エゾリスなど多くの動物たちが生きています。また、知床の海にはマッコウクジラ、シャチ、トド、ゴマフアザラシなどが豊富な魚介類を狙って集まってきています。さらに陸と海をつなぐ役割の川には、知床の河川の主役であるオショロコマが豊富に生息し、他にもサクラマス、カラフトマス、シロザケが海から山へと移動しています。そして野鳥も、希少種であるシマフクロウ、オジロワシ、オオワシなどの大型猛禽類から、ノゴマやギンザンマシコ、カワガラス、シノリガモ、オオセグロカモメなど、知床の多様な自然環境を利用しながら、生活、繁殖を行っています。
知床で暮らす哺乳類
ヒメホオヒゲコウモリ(絶滅危機種)・カグヤコウモリ(希少種)・コテングコウモリ(希少種)・チチブコウモリ(希少種)・ドーベントンコウモリ(希少種)・トド(希少種)・ホオヒゲコウモリ(希少種)・エゾシカ・キタキツネ・ヒグマ・エゾリス・シマリス・モモンガ・エゾクロテン・エゾタヌキ・クジラ・イルカ・シャチ・アザラシなど
知床で暮らす鳥類
ウミガラス(絶滅危機種)・オオワシ(絶滅危機種・国指定天然記念物)・オジロワシ(絶滅危機種・国指定天然記念物)・タンチョウ(絶滅危機種)・オオタカ(絶滅危機種)・カンムリカイツブリ(絶滅危機種)・ケイマフリ(絶滅危機種)・ハイタカ(絶滅危機種)・ハヤブサ(絶滅危機種)・ミコアイサ(絶滅危機種)・アカショウビン(希少種)・アカモズ(希少種)・ウズラ(希少種)・エゾライチョウ(希少種)・オオジシギ(希少種)・オシドリ(希少種)・ギンザンマシコ(希少種)・コアカゲラ(希少種)・シノリガモ(希少種)・シマアオジ(希少種)・チュウサギ(希少種)・ツメナガセキレイ(希少種)・トラフズク(希少種)・ハイイロチュウヒ(希少種)・マダラウミスズメ(希少種)・ヤマセミ(希少種)・ヨタカ(希少種)・オオアカゲラ(留意種)・マガモ・イワツバメ・キセキレイ・アマツバメ・ベニヒワ・ノゴマ・ハクセキレイ・キビタキ・オオルリ・トビ・シマフクロウ(国指定天然記念物)・オオセグロカモメ・エトピリカ・スズガモ・ユリカモメ・アカエリヒレアシシギ・ハシボソミズナギドリ・クマゲラ(国指定天然記念物)・ウミウなど
知床で暮らす魚類
オショロコマ(希少種)・シロザケ・カラフトマス・イトウ(絶滅危機種)・エゾハナカジカ(留意種)など
知床の植物
知床半島は多様性に富んだ豊かな植生を有しています。海岸線にはエゾコザクラ、エゾカンゾウ、エゾオグルマなど湖沼や湿地には、ミズバショウ、ワタスゲ、ウメバチソウが四季の彩りを魅せてくれます。また、湖沼を包み込みながら森林限界まで続くミズナラ、トドマツ、ダケカンバや知床連山の稜線付近では、エゾノツガザクラ、チングルマが季節になると山肌をきれいな花で飾ります。緯度が高いため、本州の3,000m級の山と同じような厳しい気象条件で、本州では2,500m以上に分布するような高山植物を、ここでは標高1,000mほどの場所で見ることができます。以下、レッドリストに登録されている(斜里町と羅臼町)ものを並べています。
ヤチラン(絶滅危機種)・リシリビャクシン(絶滅危機種)・エゾモメンヅル(絶滅危機種)・クシロネナシカズラ(絶滅危機種)・コイチヨウラン(絶滅危機種)・ヒメミズニラ(絶滅危機種)・ミヤマビャクシン(絶滅危機種)・フクジュソウ(絶滅危機種)・ネムロコウホネ(絶滅危機種)・トモシリソウ(絶滅危機種)・シレトコスミレ(絶滅危機種)・ユキワリコザクラ(絶滅危機種)・ムシャリンドウ(絶滅危機種)・エゾツリスゲ(絶滅危機種)・シュミットスゲ(絶滅危機種)・シロミノハリイ(絶滅危機種)・サワラン(絶滅危機種)・オゼノサワトンボ(絶滅危機種)・タカネフタバラン(絶滅危機種)・トキソウ(絶滅危機種)・ミヤマヒカゲノカズラ(希少種)・コスギラン(希少種)・チシマミズニラ(希少種)・カラフトメンマ(希少種)・オオエゾデンダ(希少種)・メアカンフスマ(希少種)・フタマタイチゲ(希少種)・クロバナハンショウヅル(希少種)・イトキンポウゲ(希少種)・イカリソウ(希少種)・コマクサ(希少種)・クロミノハリスグリ(希少種)・チシマゲンゲ(希少種)・ケウスバスミレ(希少種)・シロウマアカバナ(希少種)・カラフトイチヤクソウ(希少種)・ヒメイソツツジ(希少種)・エゾコザクラ(希少種)・ホロムイリンドウ(希少種)・ミヤマハナシノブ(希少種)・ミヤマシオガマ(希少種)・ネムロシオガマ(希少種)・タカネシオガマ(希少種)・ハマウツボ(希少種)・タヌキモ(希少種)・チシマヨモギ(希少種)・アポイアザミ(希少種)・エゾヒメアマナ(希少種)・ミヤマホソコウガイゼキショウ(希少種)・エゾノミクリゼキショウ(希少種)・ホソバナソモソモ(希少種)・チシマミクリ(希少種)・オハグロスゲ(希少種)・タルマイスゲ(希少種)・アカンカサスゲ(希少種)・ミヤマフタバラン(希少種)・アリドオシラン(希少種)・ミヤマチドリ(希少種)
知床観光
知床を観光する際、注意しなければいけないことがあります。知床では、人と野生動物どちらもの暮らしと安全を守り、知床の大自然を未来に伝えていくために、「基本構想」や「利用の心得」が作られています。例えば、知床五湖では、利用調整地区制度が導入され、誰でも自由に安全に歩くことができる高架木道と、時期に応じてガイドの同行やレクチャーが義務付けられる地上遊歩道という2つの歩き方が提供されています。観光の際は、知床には自然に対する「謙虚さ」と「畏怖・畏敬の念」を根底とした、自然と共存するためのルールがあるということを十分理解したうえで、自然に触れてほしいと思います。また、野生動物にエサをあげないとか、ゴミのポイ捨て禁止などは観光の上でのマナーも忘れてはいけませんね。
知床の見どころ
オシンコシンの滝
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
通行可能期間:通年
※こちらの記事で紹介しています
フレペの滝
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
通行可能期間:通年
フレペとは、アイヌ語で赤い川を意味します。この滝には川がなく、知床連山に降った雪や雨が地下に浸透し、高さ約100mの切り立った断崖の途中から染み出し、海へと直接流れ落ちる滝です。水量が少なく、しとしとと流れ落ちるさまが涙に似ていることから、「乙女の涙」とも呼ばれています。滝を見る展望台へと続く、片道1km(徒歩約20分)の遊歩道があります。また、冬にはスノーシューを使って、凍った滝の姿を見に行くこともできます。
知床峠
住所:目梨郡羅臼町湯ノ沢町 知床峠(国道334号)
電話:0153-87-2126(羅臼町役場産業創生課)
通行可能期間:4月下旬~11月上旬(予定)
知床半島先端に位置し、斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路(国道334号)の頂上、知床連山の尾根筋にあたる標高738mの峠です。ドライブコースとしても人気が高く、天気が良ければ羅臼岳やハイマツの樹海、遠く北方領土国後島も望むことができます。横断道路は、冬期間(11月から翌年4月)は数メートルに及ぶ降雪のため通行止めになり、例年はゴールデンウィーク前に開通します。観光遊覧船などで海上から望むこともできます。
※景色を楽しむ時は必ず駐車場に車を停めてください。駐車場ではない場所に停めると、見通しが悪いため大変危険です(野生動物の生息地だということを忘れないでください)。
※キタキツネ、ヒグマなどに餌を与えないでください。取締員が巡回し、発見した場合は氏名を公表するなど罰則があります。
オロンコ岩
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
通行可能期間: 4月下旬~12月上旬(無雪期)
ウトロ港近くにある、高さが60mもある巨岩で、その昔、このあたりに住んでいた先住民族「オロッコ族」から、この名がついたといわれています。170段あまりの急な石段を上っていくと頂上は平らな台地になっており、岩礁が透けて見えるほど青く澄んだ海の風景やウトロの町並み、知床連山などが広く見わたせます。
夕陽台
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
通行可能期間:4月下旬~12月上旬(無雪期)
ウトロ温泉街にある知床国設野営場の一角にあり、名前のとおり夕陽の名所です。ウトロ港・オロンコ岩・三角岩のバックに、四季折々の美しく印象的な夕陽を楽しむことができます。
カムイワッカ湯の滝
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
利用期間:毎年6月初旬〜11月初旬頃まで(予定)
交通:交通規制等があります。(7月31日16:00以降はゲートが閉まり通行出来なくなり、8月1日~8月25日は混雑防止のため、自家用車の乗り入れが規制されます。)
活火山である知床硫黄山の中腹から涌き出る温泉が川に流れ込んでいるため、温泉の川となっています。滝壷は天然露天風呂になっていて、夏は知床自然センターからシャトルバスが出ています。シーズン中は多くの人でにぎわいますが、ここは自然のままの川で整備などは一切されていません。カムイワッカ湯の滝の利用には、滑りやすい川の中を歩くため、沢登りの初歩の知識と技術が必要となります。ロープがかけられていることがあるようですが、これは多分無許可のものです。自然保護監視員などが発見次第撤去しているという事なので、このようなロープは使わないでください。
プユニ岬
電話:0152-22-2125(知床斜里町観光協会)
通行可能期間:通年
知床半島の斜里町にあるオホーツク海につき出した岬で、ウトロの町から知床自然センターへ向かう国道344号線上の標高約95mの見晴橋あたりを、一般にプユニ岬展望台と呼んでいるようです。プユニとはアイヌ語で「穴のあるところ」を意味します。夕陽の名所として知られる絶景スポットで、街並みと海岸線、はるか遠く阿寒の山々まで見渡せます。
セセキの滝
住所:目梨郡羅臼町瀬石
電話:0153-87-2126(羅臼町役場産業創生課)
羅臼市街から道道87号線を北上すると道路左手に見えてくる滝です。知床連山からの雪解けの水が30mの高さから落ちるこの滝は、アイヌ語で温泉を意味します。水量によっては、道路にしぶきが飛ぶほどの勢いになります。冬期間の氷瀑になった姿も絵になります。ぜひ夏と冬、両方の姿を見てみてください。
熊岩
羅臼市街から道道87号線を北上すると、突然現れる全高20mの大きな岩が目に入ります。近くで見ると大きすぎてわかりづらいですが、沖合の方向から見ると、見方によっては立ち上がった大きな熊に見えることから、「熊岩」と名付けられました。
天狗岩
道道87号線を相泊方面に進むと、天狗の鼻のように大きく突き出した岩が見えます。近くに駐車帯があります。
クジラの見える丘公園
住所:目梨郡羅臼町共栄町
電話:0153-87-3758(知床くじらの会事務局)
羅臼港と根室海峡を望む、景勝豊かな公園。羅臼から相泊方面へ向かう道道87号線に入り口があります。波の穏やかな日に展望デッキから沖合を眺めていると、海面に息継ぎに浮かんでくるクジラ(ツチクジラ、マッコウクジラ、ミンククジラ、シャチ)が観察できるかもしれません。自然の生き物なので、必ず見られるというわけではありません。海に面した丘の上は強風が吹くことも珍しくありません。
※冬期間は除雪されないため入ることができません
羅臼の間歇泉
住所:〒086-1822 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町
電話:0153-87-2828(羅臼ビジターセンター)
市街地から知床峠方面へ約3km、羅臼ビジターセンターからは徒歩3分です。昭和36年、ボーリング作業中に噴湯しました。昭和43年には北海道指定天然記念物にも指定されました。間隔は季節・日よって変動しますが、数十分間隔で10m弱の高さまで吹き上げる様子を見ることができます。訪れる前に知床羅臼ビジターセンターに寄るとおおよその予想時刻を教えてもらえます。
※冬期間は積雪のためスノーシューなどが必要です
知床の遊歩道
知床はみどころがたくさんありますが、自然保護のために歩かなければ見られない景色もたくさんあります。また、ぜひ歩いて知床を感じたいという方もいるでしょう。ここでは知床にある遊歩道を紹介します。
知床五湖
〒099-4356 北海道斜里郡斜里町大字遠音別村
電話:0152-24-3323(知床五湖フィールドハウス)
利用期間:4月下旬〜11月下旬(予定)
URL:https://www.goko.go.jp/index.html
原生林の中に点在する幻想的な5つの湖です。自然の豊かさを実感できる海や森、山や湖などの美しい景色を一度に楽しむことが出来、多くの野生動物の生息地でもあります。世界自然遺産知床を象徴する景勝地と言えるでしょう。高架木道で、シーズンを通して無料・安全に散策できるコースと、地上遊歩道で、訪れる時期によって散策条件は異なりますが、原生の自然を存分に楽しむことが出来るコースがあります。地上遊歩道は、ヒグマの出没等で閉鎖されることがあります。なお、限定となりますが、引率指導者として認定されたガイドツアー(有料)による冬の「知床」も、散策することができます。
羅臼湖
電話:0153-87-2828(羅臼ビジターセンター )
羅臼湖は周囲約6キロで、知床半島では一番大きな湖です。遊歩道は、ハイマツのトンネルや一面の湿地帯をぬけ4つの沼をめぐり、深い原生林に囲まれた神秘的な幻の湖として知られる羅臼湖へ続きます。遊歩道は山岳地帯にあり、木道となっていますが、整備されている箇所は少なく、シーズンを通して常にぬかるんでいます。また、岩場も多く、軽登山に準じた装備と経験、体力が必要です。また、ヒグマの出没地域でもありますので、より安全に羅臼湖歩道を利用し、羅臼湖の素晴らしさをより良く理解するためには、ガイドツアーの利用をおすすめします。
※「羅臼湖トレッキングガイド」が、羅臼ビジターセンターと知床自然センターの売店で発売されています。
熊越の滝
かつて、熊が滝を越えて往来したことから「熊越の滝」と名付けられたそうです。羅臼岳のふもとにあり周辺には探査路が整備されていますが、ヒグマの生息地域なので 熊よけ対策は必須で、ガイドさんの利用をお勧めします。滝の落差は15メートルで水量も多く知床の自然を十分に堪能できる人気のスポットとなっています。
ポンホロ沼
原生林の中にあり、雪解けの時期だけ見ることのできる幻の沼です。入口の看板や遊歩道はなく、ヒグマがすむ森の中にありますので、ガイドツアーに参加してお楽しみください。道の整備もされていません(獣道です)ので、個人で行くのは大変危険です。
※知床ガイド協議会は知床の大自然を体験できるツアーを企画・運営する地元ネイチャーガイド事業者が連携し設立した組織です。こちらのサイトでガイドツアーを探してみてはいかがでしょう。
知床を知る
斜里町立知床博物館
- 住所
- 〒099-4113北海道斜里郡斜里町本町49-2
- 電話・FAX
- tel 0152-23-1256・fax 0152-23-1257
- 開館時間
- 09:00–17:00
- 休館日
- 4-10月:月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日に休館)
- 11-3月:月曜日、祝日(月曜日が祝日のときは休館し、翌火曜日も休館)
- 年末年始
- 入館料
- 300円(高校生未満 無料、団体15名以上250円)
- URL
- http://shiretoko-museum.mydns.jp/
一階では歴史・民俗、二階では知床の自然・動物の展示など、幅広い展示が行われています。知床の過去から現在に至るまでを理解するための資料がたくさんあります。博物館の敷地内には野外観察園が設置され、怪我や病気のために保護されているエゾシカやオオワシ、オジロワシを観察することができます。また、毎年7月に行う「知床ねぷた」に運行される20基のねぷたの展示保管もしています。
羅臼ビジターセンター
- 住所
- 〒086-1822 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町6-27
- 電話
- (0153)87-2828
- 開館時間
- 9:00~17:00(11~4月 10:00~16:00)
- 休館日
- 月曜日および年末年始
- 入館料
- 無料
- URL
- http://rausu-vc.jp/
羅臼ビジターセンターは人と自然を結びつける拠点として環境省が設置している施設です。館内には、知床の自然や歴史、文化・利用に関する展示があります。ヒグマの出没状況などの情報もここで確認することができます。知床国立公園を知り、楽しんでいただくための施設です。
知床世界遺産センター
- 住所
- 〒099-4354 北海道斜里郡斜里町ウトロ西186-10
- 電話
- 0152-24-3255
- 開館時間
- 夏期(8:30~17:30)
- 冬期(9:00~16:30)
- 休館日
- 夏期(4月20日~10月20日)無休
- 冬期 (10月21日~4月19日)火曜日
- 年末年始(12月29日~1月3日)
- 入館料
- 無料
- URL
- http://shiretoko-whc.jp/whc/
知床世界遺産センターは、道の駅ウトロ・シリエトクの隣に位置し、知床の自然や国立公園を楽しむためのマナーを紹介している施設です。ヒグマやエゾシカなどの知床に住む動物の実物大の写真や、木に残ったヒグマの爪痕など動物の痕跡を模型で再現しています。 また、知床世界遺産の管理について最新の情報を提供しています。
羅臼町郷土資料館
- 住所
- 〒086-1751 北海道目梨郡羅臼町峯浜町307番地
- 電話
- 0153-88-3850
- 開館時間
- 9:00~17:00
- 休館日
- 土日、祝祭日、年末年始(7月1日~9月上旬は無休)
- 入館料
- 無料
- URL
- https://www.rausu-town.jp/pages/view/179
廃校になった小中学校を改装し、2011年12月にオープンしました。羅臼町の文化や歴史、自然に関する展示が充実した施設です。
まとめ
北海道の国立公園の中でも特に厳しい自然への配慮がなされている場所だと思います。そのため、観光には細心の注意が必要となっています。中でも、北海道のヒグマのうち約8割が 知床に住んでいるそうです。ヒグマに関しては、こちらの記事も参考にしてください。
参考URL
しれとこ100平方メートル運動(斜里町) http://100m2.shiretoko.or.jp/about/
知床斜里町観光協会 http://www.shiretoko.asia/
知床羅臼町観光協会 http://www.rausu-shiretoko.com/
知床世界遺産センター http://shiretoko-whc.jp/whc/
知床自然センター http://center.shiretoko.or.jp/shiretoko/isan/
知床データセンター http://dc.shiretoko-whc.com/index.html
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