とかち鹿追ジオパークの基本情報
2013年に国内33番目、道内5番目の日本ジオパークとして認定されました。北海道東部に広がる十勝平野の北西部に位置する、鹿追町全域をエリアとしています。
- 【問合せ先】
-
とかち鹿追ジオパーク推進協議会 事務局
〒081-0341 北海道河東郡鹿追町瓜幕西29線28番地
とかち鹿追ジオパーク・ビジターセンター
TEL 0156-67-2089 FAX 0156-67-2099
とかち鹿追ジオパークの拠点施設
とかち鹿追ジオパーク ビジターセンター
プロジェクションマッピングや触れる展示などさまざまな展示で、とかち鹿追ジオパークを分かりやすく説明してくれています。入り口では、北海道中のジオパークの石の持ち比べができます。
- 住所
- 〒081-0341 北海道河東郡鹿追町瓜幕西29線28番地
- 連絡先
- TEL 0156-67-2089 FAX 0156-67-2099
- 開館時間
- 9:00~17:00
- 休館日
-
火曜日・祝日の翌日
- 入館料
- 無料
とかち鹿追ジオパークのテーマ
「~火山と凍れ(しばれ)が育む命の物語~」
鹿追ジオパークの特徴は、噴火とシバレを繰り返し、100万年もの時間をかけてつくられた然別湖と周辺の独特の生態系。然別火山群は約1万~4万年前の噴火活動によって誕生し、然別湖を誕生させました。とかち鹿追ジオパークは、「火山」活動と風穴による「凍れ」そしてこの二つがつくりあげた「生命」がテーマとなっています。
凍れ(しばれ)
凍れ(しばれ)は北海道弁で、凍てつく寒さの事。その凍れは「風穴」という地形に深く関係しています。
風穴
風穴とは、夏でも冷たい風を吹き出す穴のことです。
風穴の吹き出しは、崖錐や岩塊斜面の内部と外部の温度差で生じると考えられています。冬の対流では、岩塊斜面で斜面内部の暖かい空気が浮力で外部へ抜け、冷たい外気が斜面内部侵入し、斜面内部の温度低下が生じます。こうして冬の寒気が斜面内部に蓄積されます。夏~秋には、相対的に低温な斜面内部の空気が重力によって穏やかに流出します。
然別湖の南側に位置する小規模な溶岩ドームの集合である然別火山群には、広範囲にわたって風穴が分布しています。風穴内部は、高低差のあるトンネルのような構造で、春に成長する氷が、然別火山群の風穴に特徴的な、夏でも0℃近い温度の吹き出しを維持していると考えられます。このため、然別風穴地帯の地下には、永久凍土が広がっています。凍土の中からは約4,000年前の日本最古の永久凍土が見つかっています。
火山
然別湖周辺の山は、かつての火山活動によって誕生しました。然別火山群は、北海道鹿追町、上士幌町、士幌町にまたがる火山群です。
旧期然別火山群(成層火山)
南ペトウトル山・北ペトウトル山
約30~10万年前の火山活動によってつくられた成層火山です。
同一の火口からの複数回、噴火が起こり、溶岩や火山砕屑物などが積み重なり形成された円錐状の火山です。
新期然別火山群(溶岩ドーム)
西ヌプカウシヌプリ・東ヌプカウシヌプリ・白雲山・天望山・岩石山
約6~1万年前の火山活動によって誕生した粘り気の強い溶岩が噴出後流れずにその場で盛り上がってできた溶岩ドームです。
然別火山群の山中には、大きな岩がゴロゴロと積み重なった地形があります。岩塊斜面と呼ばれているこの地形は、溶岩が崩れてできたものです。然別火山群の岩塊斜面は、「自破砕」「凍結破砕」という、2つのでき方によってつくられたと考えられています。
自破砕
地表に出た熱い溶岩が急激に冷やされ、縮むことで溶岩に亀裂が入り、その亀裂に沿って岩が剥がれました。
凍結破砕
最終氷期の気候の影響を受けて、溶岩の亀裂に入った水が凍り膨張して岩を割りました。
せき止め湖
約6~1万年前の火山活動で、然別火山群の山々が誕生し、その中の西ヌプカウシヌプリ溶岩ドームと東ヌプカウシヌプリ溶岩ドームの成長とともに山ヤンベツ川が堰き止められて然別湖ができました。このように地震や集中豪雨、火山の噴火、河川の堆積作用などによって川がせき止められてできた湖をせき止め湖といいます。
生命
風穴地帯の動植物
風穴から吹き出す冷風は湿り気を含んでいるため、苔や高山植物、アカエゾマツが茂っています。標高が1,000~1,200m程度ですが、2000m級の高山に分布するはずの高山植物を見ることができます。国の天然記念物に指定されている蝶のカラフトルリシジミや、愛らしい姿で鳴き声が特徴のエゾナキウサギなどが生息しています。エゾナキウサギは氷河期時代から生き残っていて“生きた化石”ともいわれ、岩がゴロゴロとした場所を住みかとしています。
然別湖のミヤベイワナ
オショロコマとして川で暮らしていましたが、火山活動で川がせき止められてしまい、川虫が少ない湖で生き残るために独自の進化を遂げ「ミヤベイワナ」という、然別湖の固有種となりました。
鹿追町産の農産物
火山灰を母材とし、植物が腐ったものが混ざってできるのが「黒ボク土(くろぼくど)」といい、柔らかく耕しやすく、保水性や透水性に優れています。じゃがいも・小麦・豆類・てん菜(ビート)の畑作4品が主要作物として作られ、それぞれの作物の生育具合で季節を感じます。
山体崩壊による牧草地
山体崩壊が複数回発生したことでできた流れ山地形の一部は牧草地になっており、若い乳牛が丘や斜面をのんびりと登ったり休んだりしています。牛たちの牛乳から作られる乳製品やソフトクリームはまさに大地からの贈り物です。
とかち鹿追ジオパークのジオサイト
ヤンベツ川河口
然別湖に流れ込むヤンベツ川は、川自体が北海道の天然記念物です。河口付近には三角州がつくられて、今も成長し続けています。
三角州とは、河川に運ばれた土砂が、流れが弱くなる河口付近にたい積 せきしてつくられる平らな地形です。形がギリシャ文字のデルタ に 似 に ていることから、デルタともいわれています。
- 場所
-
然別湖北岸野営場内
- 駐車場
-
あり
- その他
- トイレあり ※7月~9月のみ利用可
然別湖
然別湖は、かつての火山活動によって誕生した山々に囲まれた、北海道ではもっとも高い場所にある湖です。1万年〜6万年前の間に火山が噴火し、川の流れをせき止め、然別湖が誕生しました。入り組んだ岬と湾が並ぶこの形は、然別湖がダム湖と同じようにせき止めによってできたからです。
- 場所
-
北海道河東郡
- 駐車場
-
あり
- その他
- トイレあり
こちらの記事で然別湖ナイトウォッチング について紹介しています。
しかりべつ湖コタン
然別湖で1~3月の期間限定で開催されるイベントで、冬の然別湖につくられる雪と氷の村が「しかりべつ湖コタン」です。
こちらの記事で紹介しています。
場所
-
しかりべつ湖コタン
〒081-0344 北海道河東郡鹿追町北瓜幕無番地 然別湖畔
- 問合せ先
-
0156-69-8181(しかりべつ湖コタン実行委員会)
- その他
- 開催期間 1月下旬~3月中旬
4.南ペトウトル山
然別火山群の南側は、30万年前の火山活動によって流れ出た溶岩が、然別湖畔温泉ホテルの北側まで広がっています。また岩砕なだれ特有の流れ山の地形もみられます。
山頂からは、天気が良ければ然別湖や東雲湖、十勝平野まで一望することもできます。
南ペトウトル山登山口はホテル風水の向かいにあります。
- 場所
-
〒081-0344 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
登山口は然別湖畔温泉ホテル風水前です(場所は正確ではありません)
- 駐車場
-
あり(然別湖畔の駐車場)
- その他
- 湖畔駐車場にトイレあり
然別風穴地帯
然別風穴地帯の地下では、雪が解けても地面は氷点下のままなので、溶けることがなく、日本最古の永久凍土が見つかっています。
「東ヌプカウシヌプリ」の登山口から15分ほど登ったエリアに風穴地帯が広がっています。風穴地帯には、エゾナキウサギなど珍しい動植物に会えるかもしれません。
- 場所
-
〒081-0344 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
駐車場のあたり
然別風穴地帯はこの辺りと思われます
(場所は正確ではありません)
- 駐車場
-
あり
東ヌプカウシヌプリ
東ヌプカウシヌプリは然別火山群を構成する火山の一つで、約6~1万年前の火山活動によって誕生した山です。登山道には岩塊斜面が多く、この岩塊斜面が多くの風穴をつくり出し、そこから出入りする空気が影響して、普通は2000m級の高山に分布する高山植物がここでもみられます。また、ナキウサギの姿も見ることができます。
- 場所
-
〒080-1200 北海道河東郡鹿追町北瓜幕 大雪山国立公園 東ヌプカウシヌプリ山
登山口〒081-0344 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
- 駐車場
-
あり
千畳くずれ
崩れた岩が広範囲に広がっていることから千畳くずれという名前が付きました。千畳くずれは、西ヌプカウシヌプリ山の火山活動で流れた溶岩の固まりが崩れて大きな岩となり、山麓に堆積したもので、寒暖差の大きい場所の岩場でしか見られない特徴的な地形です。
- 場所
-
〒081-0344 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
- 駐車場
-
駐車帯に止められます
西ヌプカウシヌプリ
然別火山群を構成する火山の一つで、約6~1万年前の火山活動によって誕生した山です。溶岩が崩れてできた岩塊斜面が広がり、岩塊斜面の周囲に広がる風穴地帯の地下からは、現在のところ日本で一番古い氷(約4,000年前)を含む永久凍土が見つかっています。
- 場所
-
〒080-1200 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
登山口〒081-0344 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
Google マップ 正確ではありません
扇ヶ原展望台
扇ヶ原展望台からは、噴火で崩れた火山体の断片が扇ヶ原に散らばっている様子がわかります。
- 場所
-
〒080-1200 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
- 駐車場
-
あり
- その他
- トイレあり(冬期間閉鎖)
東瓜幕流れ山地形
火山の爆発によって、大規模な山崩れが発生すると、大量の土砂が流れ、流れ山がつくられます。然別火山群は、できては崩れを繰り返してこの地形がつくられたと考えられます。
- 場所
-
〒080-1200 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
(正確ではありません)
- 駐車場
-
なし(通行車両の迷惑にならないように路肩に駐車)
- その他
- この周辺は私有地です。牧草地には決して入らないでください。
火山展望地(大島亮吉記念碑・二つの火山の物語)
東ヌプカウシヌプリと西ヌプカウシヌプリは別名夫婦山ともよばれます。仲られたそう名付けられたそうです。ここには大正時代の登山家、大島亮吉の記念碑が建っています。
- 場所
-
〒080-1200 北海道河東郡鹿追町北瓜幕
- 駐車場
-
あり(4台)
西瓜幕火砕流露頭
約100万年前に起きた大噴火で噴出した火砕流が積もったもので、西瓜幕の然別川沿いに連続して続く崖です。
- 場所
-
〒081-0226 北海道河東郡鹿追町上幌内
(正確ではありません)
笹川河成段丘露頭
河成段丘は、河川の中・下流域に川の流れに沿って発達する階段状の地形です。このジオサイトがある台地を美蔓台地(びまんだいち)と言い、十勝川が山麓に土砂を積もらせた扇状地で、上流域が隆起し、その後十勝川と然別川に削られずに残った場所です。約80万年前、現在の十勝平野中央部には浅い海や湿地が広がり、そこに、周囲の川から運ばれた土砂が堆積してしま模様のある地層ができました。
- 場所
-
〒081-0226 北海道河東郡鹿追町上幌内
(正確ではありません)
- その他
- この周辺は私有地です。マナーを守った利用をお願いします。
拓殖鉄道と河西鉄道の交差橋台跡
ここはかつて鹿追町内を走っていた北海道拓殖鉄道と、近くにある河原で水揚げされた材木を運んでいた河西鉄道が交差するために作られた交差橋台です。
- 場所
-
〒081-0225 北海道河東郡鹿追町柏ケ丘
- 駐車場
-
あり
- その他
- トイレあり
河西鉄道鹿追駅跡
河西鉄道は、鹿追の農場から清水町の製糖工場へのてん菜運搬を目的に運行した鉄道です。1946年、十勝鉄道に吸収合併され、その後はトラックの普及により、1951年に旧河西鉄道線である清水部線は全廃されました。
- 場所
-
〒081-0225 北海道河東郡鹿追町柏ケ丘
- 駐車場
-
なし
16.拓殖鉄道鹿追駅跡
北海道拓殖鉄道は、新得ー鹿追ー上士幌を結んだ私鉄で、1928年新得駅 – 鹿追駅間が開業し1931年には上士幌までのばしましたが1968年廃止となりました。当時鹿追駅があった場所は現在、拓殖バス鹿追営業所となっています。拓殖鉄道は新得町に本社を置く物流会社として存続し、系列会社の北海道拓殖バスが十勝地方で路線バスを運行しています。
- 場所
-
〒081-0201 北海道河東郡鹿追町緑町5丁目8−3
鹿追市街地 緑町公園内
- 駐車場
-
あり
- その他
- トイレあり
下鹿追亜炭層(現在工事中につき立ち入りできません)
およそ80万年前、今の音更町付近を中心に、鹿追町の南部まで、大きな潟湖または湿地が広がっていました。その頃の植物が積もってできたのが、亜炭層という地形です。亜炭とは石炭のうち、炭化度が低いものをいいますが、石炭は植物由来の化石です。崖をよく見てみると、亜炭層が複数枚あるのが分かり、湿地と陸地を繰り返したことがわかります。この亜炭層は昔は採掘して燃料に使用されたことがあるようです。
- 場所
-
(正確ではありません)
- 駐車場
-
なし
- その他
- .
コメント