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日本国憲法について考える

5月3日は憲法記念日です。昭和21年11月3日に公布され、昭和22年5月3日に施工されました。

大日本帝国憲法の制定

そもそも江戸時代までは自由や平等などという考えはなく、鎖国政策をしていた日本でしたが、江戸幕府の開国・通商路線を期に倒幕運動天皇親政体制への転換など、いわゆる明治維新により、日本は近代化への道を進めていきました。
中央集権体制が整備され、さまざまな政策が実施されました。

この政府のやり方に不満を持った士族たちは自由民権運動を始めました。これに地主や都市の商工業者のちには農民なども加わり運動は激化していきました。

これに対し政府が保安条例の制定や改進党の大隈重信を外相に入閣させることで運動は沈静化し、1889年大日本帝国憲法を制定しました。この憲法は君主権の強い欽定憲法で、権利は天皇から恩恵として与えられ、法律の範囲内でしか認められていませんでした。

日本国憲法施工

第二次世界大戦に敗れた日本はポツダム宣言を受け入れ憲法改正に至りました。
その際マッカーサーが出した改正の原則が「天皇制の維持」「戦争放棄」「封建制度の廃止」でした。これをもとにマッカーサーの部下により原案がつくられ1947年5月3日、日本国憲法が施工しました。

日本国憲法の3つの原則

日本国憲法では「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」という3つの原則を掲げ、国民の幸福を増進し平和で文化的な国をつくることをうたっています。

国民主権

国のあり方を最終的に決定する権力は国民にあり、憲法を定める権力あるいは権威が国民にあることを示します。

大日本帝国憲法では、天皇主権でしたが、日本国憲法では天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」とされています。

基本的人権の尊重

日本国憲法では、公共の福祉に反しないかぎり、国民一人ひとりの基本的人権が尊重されることを保障し、基本的人権は大きく5つに分類されます。

①自由権

日本国憲法でいう自由権とは「精神的自由権」「経済的自由権」「身体的自由権」を言い、思想・良心の自由(第19条)、信教の自由(第20条)、集会・結社、表現の自由(第21条)、学問の自由(第23条)、居住・移転、職業選択の自由(第22条)、財産権の不可侵(第29条)、奴隷的拘束や苦役からの自由(第18条)、法定手続の保障(第31条)、住居の不可侵(第35条)、被疑者・被告人の権利保障(第33条、第36~39条)が明文化されています。

②平等権

平等権について日本国憲法では14条1項において規定されています。「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と明文化されています。

③社会権

日本国憲法における社会権には「生存権」(第25条)、「教育を受ける権利」(第26条)、「勤労の権利」(第27条)、「労働基本権」(第28条)があります。

④参政権

政治に参加する権利で、大きく選挙権と被選挙権があり選挙権については、15条に定められています。

⑤請求権

基本的人権が守られるよう、人権が侵された場合その救済を求める権利のこと。請願権(第16条)、裁判を受ける権利(第32条)、国家賠償請求権(第17条)、刑事補償請求権(第40条)があります。

平和主義

日本国憲法の前文に「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とあり、第9条には「戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認」に関する規定を置いています。

侵略戦争をしないことと、このための戦力をもたないことが明記されているため日本国憲法は「平和憲法」といわれています。

日本国憲法の改正手続き

憲法第98条第一項で「この憲法は国の最高法規であって」と規定し憲法は国で最も優先される法律であるということが明記されています。国の法律や規則は憲法よりも下に位置付けられ、憲法に反する法律は効力がありません。

通常の法律よりも厳格な改正手続きを定める憲法を硬性憲法といい、日本国憲法はこれにあたります。硬性憲法には、多数意思であっても、あやまちを犯す危険は常に存在し、そうした権力行使に歯止めをかけるのが憲法の役割だという考え方が根底にあります。

それでは、日本国憲法改正にはどのような手続きが必要なのでしょう。

憲法改正には、国会と国民による2重のチェックが必要です。

一 憲法改正の発議手続

「発議」とは、国会議員が議案を提出して審議を求めることをいいます。国会には衆議院と参議院がありますが、どちらが先にチェックしてもかまいません。日本国憲法第96条では、改憲について「各議院の総議員の3分の2以上」の賛成で発議することを求めています。

1)改正原案を発議

国会議員が原案を、衆議院か参議院に提出します。このとき、衆議院では100人以上、参議院では50人以上の賛同が必要となります。

「原案」は内容によって項目ごとに区別して提出する必要があります。

2)憲法審査会で審査を経て本会議に
衆議院憲法審査会及び参議院憲法審査会で審議されたのちに、本会議に付されます。本会議では、すべての議員の「3分の2以上の賛成」で可決となり、もう一方の院に送られます。
両院で可決されると「憲法改正案」となり、国会が憲法改正の発議を行います。

※普通の法案の場合、可決に必要なのは「出席議員」の過半数なので、出席議員のなかで過半数を占めていれば成立します(欠席議員は総数に含まれません)。これに対して、改憲の発議の場合は「総議員」の、しかも3分の2が必要です。

 二 国民投票の実施

憲法改正の発議をした日から起算して60日以後180日以内で、国会の議決した期日に国民投票が行われます。国民投票の期日は、官報で告示されます。

憲法改正案に対する賛成の投票の数が投票総数の2分の1を超えた場合は、国民の承認があったものとなります。

「憲法改正案」の投票は、内容が関連する「改正案」ごとに提案され、それぞれの改正案ごとに一人一票を投票することになっています。
「改正案」が2つの場合は、それぞれに1票ずつ、計2票の賛否を投票することになります。

開票の結果が出たら、すぐに有効投票総数や賛成投票数、反対投票数などが官報で告示され、「賛成」が有効投票総数の過半数の場合には、改正が国民から承認されたことになり、総理大臣がすぐに手続きを行い、天皇が国民の名において改正された憲法を公布します。

日本国憲法について考える

衆議院憲法審査会

参議院憲法審査会

日本国憲法改正について必要か否か。様々な議論がなされています。

例えば、憲法第9条についていうなら、平和を願う気持ちはきっと誰もが持っていると思います。同じ思いを持っていても、道が異なることはよくあります。

武器を持つことは戦うことではなく、身を守ることだという人もいます。武器を持つことで戦う意思があると思われるから、持つべきではないという人もいます。

正直どちらの言い分もわかります。そして私にはどちらが正しいのかわかりません。

9条だけに限らず、憲法についてもっとよく考える必要があるのかもしれません。

日本国憲法について学ぼう

お勧めの本の紹介です

テレビでおなじみ池上彰さんですが、この本を読むとその人気の理由がわかります。誰もが認める分かりやすさはもちろんですが、目の付け所も面白い。

六法全書など日本の法律はどうしてこうもわかりにくい文章なんでしょう。それを私でもわかるように解説してくれています。

そして北朝鮮の憲法や中国の憲法、アメリカ合衆国の憲法にも触れています。「ああ、日本に生まれてよかった」と実感できるかもしれません。