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人工的建造物のない神の宿る場所「斎場御嶽」

斎場御嶽せーふぁうたき について

斎場御嶽は琉球の祖神アマミキヨが国始めに作った七御嶽のひとつとされています。「斎場」とは「霊威の高い聖なる場所」「最高位」の意で、「御嶽」とは琉球の信仰における祭祀などを行う施設で「聖地」の総称です。「斎場御嶽」は、王国最高の御嶽とされ、中央集権的な王権を信仰面、精神面から支える国家的な祭祀の場として重要な役割を果たしました。御嶽の創設年は定かではありませんが、15世紀前半には国王がこの御嶽に巡幸していたようです。 人工的な建造物はなく、うっそうとした樹木とむきだしの岩山そのものが神の宿る存在として拝まれていました。戦前までは、男子禁制であった聖地ですが、現在では多くの人が参拝に訪れています。2000年に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」としてユネスコ世界遺産に登録されました。

斎場御嶽参拝について

斎場御嶽は神聖な場所なので、訪れる際は、聖地であることを忘れず、敬う心構えでお祈りしましょう。また、沖縄の昔からの言い伝えで、神聖な場所のものを持ち帰ると不幸が訪れると言われているそうです。

【住所】南城市知念字久手堅270-1
【TEL】098-949-1899

斎場御嶽の入場チケットは現地では販売されていないので、「南城市地域物産館」であらかじめ購入しておきましょう。

◆営業時間(開館時間)◆
【3月~10月】9:00~18:00(最終入館:17:30)
【11月~2月】9:00~17:50(最終入館:17:00)
◆入場チケット販売時間◆
【3月~10月】9:00~17:15まで
【11月~2月】9:00~16:45まで
◆入場料◆
大人(高校生以上):300円
小人(小・中学生):150円
団体:200円(※20名以上)
◆斎場御嶽休息日◆
自然保護の観点から毎年2回、旧暦5月1日〜3日、および旧暦10月1日〜3日を休息日としています。
【2021年】6月10日~6月12日 / 11月5日~11月7日

 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方は、券売所窓口にて手帳を提示すると無料となります。

 

王国時代の斎場御嶽

琉球王国の最高神女(のろ)である聞得大君(きこえおおきみ)は国の祭祀をまとめる重要な役割を担っており、王族の女性がその地位に就きます。国の最高神職に就任する重要な儀式である「お新下り」の祭祀場としての主会場が斎場御嶽です。首里城から出発し、南風原・与那原・佐敷を経由して斎場御嶽に着くまでの各地方の神役(かみやく)たちが参列する国の大きな行事でした。また、国家の繁栄や五穀豊穣を祈願して国王が御嶽を巡礼する「東御廻り(あがりうまーい)」の重要な参拝地でもありました。国の吉凶を占う儀式も行われた、琉球王国最高の聖地です。

斎場御嶽の見どころ

  1. 緑の館・セーファ
    御嶽に入る前に琉球王国の歴史とともに斎場御嶽の概要についてビデオ視聴ができます。注意事項の確認、神聖な場所であることを再認識することができます
  2. 御門口(ウジョウグチ)
     斎場御嶽に入る参道の入口で、その入口の右側には6つの香炉が置かれ、内部にある拝所の数を示しています。かつてはここから先は神事をする人しか入ることができなかったので、それ以外の人はここで6つの香炉に向かって祈りを捧げていました。
  3. 大庫理(ウフグーイ)
    石畳の参道を登っていくと、隆起した巨大な岩があります。大広間や一番座という意味をもつ、祈りの場所です。首里城の部屋と同じ名前を持つ拝所の一つ
  4. 寄満(ユインチ)
    第2の拝所で、王府の言葉で「台所」を意味しますが、ここでの意味は、当時貿易で栄えた琉球王国に寄せられ、満ちた交易品の数々が集まった場所とされています。首里城の部屋と同じ名前を持つ拝所 
  5. シキヨダユルアマガヌビーとアマダユルアシカヌビーの壺
    第3、第4の拝所です。三角岩の手前には二本の鍾乳石があり、その真下に「シキヨダユルとアマダユルの壷」が置かれています。この鍾乳石から滴る水滴は聖なる水とされていて、シキヨダユルアマガヌビーは聞得大君の就任儀式用の霊水として、アマダユルアシカヌビーは、首里に運び王子の健康祈願に使われました。
  6. 三庫理(サングーイ)
    2枚の巨岩が寄りかかってできた三角の岩の奥から光が差し込み幻想的な雰囲気があります。右側にみえる香炉付近は、チョウノハナと呼ばれる拝所です。琉球王国最高の神女「聞得大君(きこえおおきみ)」と関係がある場所と言われ触ることは禁止されています。この岩の隙間を抜けると、左手に久高島が望める場所となります。
  7. 神の島「久高島」
    歴代の琉球国王たちは時折、久高島で参拝しており今でもこの島では神秘的な祭事が行われています。男性禁止の場所が残っていたり、島にある石や貝殻を島外に持ち出すことが禁止されていたりと島には神様が宿っていると考えられています。

まとめ

「斎場御嶽」はパワースポットだと聞いたことがありますが、ここは観光気分で行くことは許されない場所のように感じました。斎場御嶽は今でも沖縄の人々にとって神の宿る大切な祈りの場です。緑の館・セーファで注意事項をきちんと確認し、できればガイドさんと一緒に周るのが安心なようです。