ヘリテージ~受け継ぐべきもの

日本の宝を未来に遺すために今すべきこととは

アフィリエイト広告を利用しています

日本最古の瓦が残る「元興寺」~世界遺産「古都奈良の文化財」

元興寺

前身は、蘇我馬子が飛鳥に建立した日本初の本格的寺院・法隆寺です。平常遷都に伴い718年に現在地に新築移転されたのが元興寺です。世界文化遺産には史跡元興寺極楽坊境内という狭い空間の、旧僧坊遺構である国宝極楽堂(極楽坊本堂)と国宝禅室(極楽坊禅室)が登録され、他に五重小塔など貴重な寺宝が伝わっています。

元興寺の拝観について

住所
〒630-8392 奈良県奈良市中院町11番地
TEL:0742-23-1377 FAX:0742-23-1378
拝観時間
AM9:00~PM5:00(ただし入門はPM4:30まで)
拝観料
大人500円(秋季特別展期間中600円)
中学生/高校生300円
小学生100円
20名以上団体400円(秋季特別展期間中540円)
身障者それぞれ半額
※境内は飲食禁止です

元興寺の仏像

木造阿弥陀如来坐像(禅定院多宝塔本尊)

重要文化財 平安時代木造

元興寺に残る仏像の中でもっとも大きなもので、高さ157.3cm(反丈六と呼ばれるサイズ)のものです。頭と体幹をケヤキの一木造り、膝から前の部分は別の材で作って接合している。肩が大きく張り気味で、大きな肉髻とあいまって、全体的にどっしりとした風格を醸し出している。阿弥陀如来ははるか西のかなたの極楽浄土で現在も説法を続けているとされ、無量寿仏・無量光仏とも呼ばれます。一般に、瞑想の姿(定印)、初天法輪の姿(説法印)、通説法の姿(来迎印)の3形式があり、本像は両手とも第1指と第2指を稔じて下生の印とした来迎相、すなわち上品下生の姿の半丈六像です。阿弥陀如来は人々を極楽浄土に迎えるとき信仰の深さ(品)と善行の数(生)により9段階に分けて対応し、上品下生はランク3に該当します。

木造聖徳太子立像(十六才孝養像)

重要文化財 鎌倉時代

元興寺は聖徳太子への信仰が盛行し、南都の律僧達が極楽坊をその拠点としたことが太子像造立の契機でした。本像は孝養像と呼ばれるもので、角髪(日本の上古における貴族男性の髪型)を結い、靴を履いて柄香炉を持つ立像で、太子16歳の時、父用明天皇の病気平癒を祈る姿だといいます。1268年、仏師善春等によって作られ、眼清ら僧俗約5千人による勧進結縁 で出来あがった事情が像内納入品によって明らかにされています。1272年の太子生誕650年を記念して造立されたとおもわれます。

木造弘法大師坐像

重要文化財 鎌倉時代

元興寺は泰範や仲継、護命僧正など空海と関係の深い学僧がいました。空海は唐・青龍寺に留学して恵果阿闍梨から密教を相承して第8祖となりましたが、平安時代後期には真言宗宗祖として信仰されはじめ、鎌倉期の400年遠忌から単独の祖師像が造立されるようになります。木造弘法大師坐像は法輪館に安置されています。

元興寺の瓦

極楽堂と、その奥に立つ禅室の屋根には、飛鳥時代から使用されている日本最古の瓦(右)と古い瓦(左)とが隣り合わせで葺かれています。

 

 

元興寺周辺には昔ながらの町屋が並び、見どころもたくさんあります。奈良町資料館(私設)、地元の方に愛される庚申堂、石仏龕が安置されている十輪院などは是非訪れてみたい場所です。ゆっくりと奈良町を見て歩きたいです。