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延暦寺 諸堂めぐり

1994年、日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。その中で延暦寺についてみていきたいと思います。

延暦寺

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1200年前最澄が国の安泰と国民の幸せを祈って日本人に合った仏教を比叡山に開きました。後に法然、栄西、親鸞、道元、日蓮ら日本の仏教各派の祖師の修行されたお寺でもあります。このように、いろいろな宗派の高僧たちが修行してきた山なので、日本仏教の母山と言われるのもわかります。
比叡山は大きく三塔の地域に分けられ、これらを総称して比叡山延暦寺と言います。10世紀後期にはこの三地域を中心に堂舎が整備され、隆盛を築いていました。その後、火災のたびに再建が繰り返され、1571年には兵火により峰の西側に建つ瑠璃堂、相輪を除く全てが焼失し、再建が行われました。

延暦寺(世界遺産としての)の建造物、庭園目録

E1根本中堂

国宝指定年月日:1899.04.05
総本堂である国宝の根本中堂は、887年、正面11間、側面4間孫庇付の1棟として創建され、938年に再建、980年には孫庇幅を広げ回廊、中門が加えられました。その後、1435年、1499年、1589年に再建され、現在のものは1631年に倒壊後、1640年に再建されたものです。正面11間、側面は内陣4間、礼堂にあたる中陣1間、外陣1間の計6間、入母屋造、瓦棒銅板葺という大規模な仏堂で、板敷の外陣、中陣に対し、三基の宮殿を安置した内陣は土間床石敷、小組格天井の格の高い仕様となっています。こうした形態と規模は平安時代まで遡ると考えられますが、架構や細部は、和様を駆使した江戸時代前期の気風を示しています。1954年には半解体修理が行われています。

E2根本中堂廻廊

重要文化財指定年月日:1899.04.057
根本中堂と中庭を挟んで位置する回廊です。980年根本中道の孫庇幅を広げ、回廊・中門が加えられました。その後、1435年、1499年、1589年に再建され、現在のものは1631年に倒壊後、1640年に再建されたものです。

E3転法輪堂

重要文化財指定年月日:1900.04.07
釈迦如来を本尊とする堂(西塔の本堂にあたります)です。釈迦如来像が安置されているので釈迦堂とも呼ばれています。三井圓城寺の金堂が移設されたもので、延暦寺のお堂の中で一番古い建物となります。円城寺の記録によると1347年に建立されたもののようです。1958年に解体修理が行われています。

E4戒壇院

重要文化財指定年月日:1901.08.02
天台宗の僧が受戒するための場所で、中央に釈迦如来、両脇侍に文殊菩薩と弥勒菩薩が祀られています。828年に創建され、現在の戒壇院は1678年に再建されたものです。

E5瑠璃堂

重要文化財指定年月日:1912.02.08
1571年の織田信長による焼討ちの兵火を免れた貴重な建物で、室町時代末期の建立と推定されています。薬師瑠璃光如来が本尊として祀られています。1971年と1939年に解体修理が行われています。

E6相輪とう

重要文化財指定年月日:1917.08.13
法華経、大日経などを納めた塔です。普通の塔の相輪に柱をつけて、地上に立てたような形式をしています。最澄(さいちょう)が820年に創建したものが、その始まりと伝えられています。その後、1179年をはじめとして数回修理がおこなわれたようですが、現在のものは、1895年頃に完成した青銅製のものです。

 E7常行堂

重要文化財指定年月日:1955.06.22
法華堂と並行して建ち、廊下でつながっています。二つ合わせてにない堂と言います。常行堂の中央には阿弥陀如来像があり、90日間その周りをひたすら心に阿弥陀様を念じながら昼夜歩き続ける(常行三昧という)修業をする道場です。1595年に建てられ、1967年には解体修理が行われています。

E8法華堂

重要文化財指定年月日:1955.06.22
常行堂と並行して建ち、廊下でつながっています。二つ合わせてにない堂と言います。法華堂は、21日間坐禅と普賢菩薩の周囲を回り歩く行道を繰り返す半行半座の修行を(法華三昧という)する道場です。1595年に建てられ、1967年には解体修理が行われています。

E(1)廊下

重要文化財指定年月日:1955.06.22
常行堂と法華堂をつなぐ廊下です。この廊下をにない棒に見立てて、常行堂と法華堂併せてにない堂と呼ばれています。

E9大講堂

重要文化財指定年月日:1987.06.03
大講堂は僧侶が経法を講じ、講義を行う堂です。1571年の信長の焼き討ち後、1642年に復興されましたが、1956年の火災で焼失しました。現在のお堂は1964年に山麓坂本にあった讃仏堂を移築したもので、中にはご本尊の大日如来と、その左右には比叡山で修行した各宗派の宗祖の木像が祀られています。
※( )付の数字で示された建造物は、国宝もしくは重要文化財に指定された建造物に付随するものとして、国が指定した文化財である

関連資料
世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)
文化遺産オンライン(文化庁)

延暦寺拝観について

延暦寺諸堂巡拝時間

東塔地区
3月~11月 8時30分〜16時30分
12月 9時〜16時
1月~2月 9時〜16時30分
西塔・横川地区
3月~11月 9時〜16時
12月 9時30分〜15時30分
1月~2月 9時30分~16時

※巡拝受付は閉堂の30分前までとなります。
※冬季期間は降雪等の為、閉堂時間が早くなることがあります。
※場合により入堂を制限されることがあります。(法要など)

延暦寺諸堂巡拝料

東塔・西塔・横川共通券
  大人 中高生 小学生
個人 700円 500円 300円
団体(20名~) 600円 400円
国宝殿(宝物館)拝観料
  大人 中高生 小学生
個人 500円 300円 100円
団体(20名~) 400円 200円
国宝殿拝観料と巡拝料のセット価格
  大人 中高生 小学生
個人 1,200円 800円 セット料金は無し
団体(20名~) 1,000円 600円

※巡拝料は各巡拝受付所での支払いとなります。
※色々なところで割引券配布しています。割引券がある場合は支払いの前に出しましょう。

諸堂めぐり

延暦寺を最大限見学できるよう今回はシャトルバスで周りました。比叡山頂から横川まで行き、帰りのバス時間を確認しながら横川地域、西塔地域、東塔地域を周りましたが、時間とのにらめっこで「もう少しゆっくりと周りたかった」というのが本音です。とにかく歩く場所が多く、すべて歩くと時間内には見ることができないと思い、後ろ髪惹かれる思いでバスに乗りましたが、それでも東塔地域につく頃には、拝観時間がもうほとんどない状態でした。

横川地域

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横川地域

延暦寺三塔の中で一番北にあり、シャトルバスではここが終点となっています。円仁によって開かれ源信・親鸞・日蓮・道元などが修行した地です。受付を通って横川中堂・恵心堂・鐘楼・元三大師堂(四季講堂)とぐるっと一回りするとちょうどバスの時間(帰りの)が気になりだし、もう少し見たい気持ちもありましたが、次のバスでは最後まで回り切れないと思い、バス停に向かう事にしました。
ちなみに、元三大師堂はおみくじ発祥の地でもあります。おみくじは要予約となっており、私たちが普段引いているおみくじとはちょっと勝手が違います。道に迷ったときにここでおみくじを引きお話を聞くことができるありがたいもののようです。

 

峰通バス停

西塔地域に行く前に峰通バス停で降り、伝教大師尊像を拝み、琵琶湖を眼下にちょっと一休み。

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峰通バス停

西塔地域

美しい杉木立と小鳥のさえずりが聞かれる静寂境。にない堂(常行堂と法華堂)を通り、釈迦堂(転法輪堂)・椿堂・などがあります。横川地域や東塔地域に比べて、ここはあまり人と行きかうこともなく、見る場所もあまりない、本当に静かな雰囲気の場所でした。

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西塔地域

東塔地域

比叡山永暦時の中心で、総本堂の根本中道・大講堂・阿弥陀堂・法華総寺院東塔・文珠楼・萬拝堂・大黒堂などがあります。根本中道は大改修中でした。

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東塔地域

一日がかりで延暦寺を周りましたが、ちょっと時間配分を間違えたような気がします。もし機会があったら、今度は時間がなくてあまり見られなかった東塔をゆっくりと見たいですね。もしかしたら大改修も終わっているかもしれません。