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寺域も伽藍も平安時代のまま~東寺の名で知られる教王護国寺

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。その中で教王護国寺きょうおうごこくじ(通称:東寺)についてみていきたいと思います。 

教王護国寺(通称:東寺)は、金堂、五重塔、大師堂、蓮華門の4国宝の他、内部に21尊の仏像が安置される講堂、密教の重要な儀式である伝法灌頂を行う灌頂院、11世紀の建築である校倉造の宝蔵など9棟1基の重要文化財建造物が、世界遺産に登録されています。

教王護国寺きょうおうごこくじ(通称:東寺)

教王護国寺(通称:東寺)は、金堂、五重塔、大師堂、蓮華門の4国宝の他、内部に21尊の仏像が安置される講堂、密教の重要な儀式である伝法灌頂を行う灌頂院、11世紀の建築である校倉造の宝蔵など9棟1基の重要文化財建造物が、世界遺産に登録されています。

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東寺


東寺は平安京造営に際し、796年国家鎮護のために羅城門の東西に建立されたふたつの官寺、東寺、西寺のひとつです。当時の区画規模を現在まで維持し、平安京復原の基準としての意味を持っています。823年には弘法大師空海に下賜され真言密教の道場となりました。
伽藍配置は南大門を入って金堂・講堂少し隔てて食堂が、左右に五重塔と灌頂院が配置されています。度重なる内乱等による焼失にも、その都度元の姿に再建されてきました。

C1 金堂 国宝指定年月日1897.12.28

本尊を安置する東寺一山の本堂です。 796年に創建されましたが、1486年に焼失し、現在の堂は1603年に再建されたものです。その後、1940年に金堂の解体修理が行われました。入母屋造、本瓦葺の天竺様の構造法を用いた豪放雄大な桃山時代の代表的建築です。

C2 五重塔 国宝指定年月日1897.12.28

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五重塔

826年に創建着手され、883年竣工しましたが、1055年焼亡、1086年再建、1270年焼亡、1293年再建、1563年焼亡、1594年再建、1635年焼亡、1644年再建と、4度の焼亡と再建を繰り返しました。しかし、地震で倒壊したという記録はないことから、地震に強い構造になっていることがうかがわれます。高さ55mと現存する五重塔のうち最高の高さを誇り(雷が落ちやすかったのではないかとの見方もあるようです)、東寺の象徴として親しまれています。

C3 大師堂 国宝指定年月日1897.12.28

弘法大師の住房として建てられました。1379年に焼失しましたが、翌1380年に再建され、1390年には北側に大師像を拝するための礼堂と中門を増築し、現在に至っています。入母屋造りの礼堂、切妻の中門、平安時代の住房形式である寝殿造を受け継いだ檜皮葺の緩やかな屋根が、優美な形態をきわ立たせています。

C4 蓮花門 国宝指定年月日1902.04.17

西大門に相当する境内西側に開く門です。796年に創建され、12世紀末に再建されて現在に至っています。

C5 北大門 重要文化財年月日1907.08.28

境内北側に開く門です。1992年に解体修理を行っています。 
建立年代12世紀後半

C6 慶賀門 重要文化財指定年月日1907.08.28

天皇の勅使が使用した門で、東大門の北に開く門です。1990年に解体修理が行われました。
建立年代12世紀後半

C7 東大門 重要文化財指定年月日1910.08.29

境内東側に開く門です。
建立年代1605

C8 南大門 重要文化財指定年月日1910.08.29

境内南側に開く門です。1953〜1958年に解体修理が実施されました。
建立年代1601

C9 宝蔵 重要文化財指定年月日1925.04.24

寺宝を納める建物で、11世紀の建築である校倉造となっています。1953〜1958年に解体修理が実施されました。
建立年代11世紀

C10 講堂 重要文化財指定年月日1940.10.14

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講堂

僧侶が経法を講じ、講義を行う堂で、内部に21尊の仏像が安置されています。825年着工され、835年頃完成しました。その後、台風や災害により大破し何度も修理を重ねましたが、1486年の戦火で焼失しました。現在の講堂は1491年に再興されたものです。

C11 灌頂院 重要文化財指定年月日1940.10.14

密教の重要な儀式である伝法灌頂を行う場所です。1953〜1958年に解体修理が実施されました。
建立年代1629

C12 灌頂院東門 重要文化財指定年月日1955.06.22

灌頂院東側に位置する門です。
建立年代13世紀中頃

C13 灌頂院北門 重要文化財指定年月日1955.06.22

灌頂院北側に位置する門です。
建立年代13世紀中頃

C14 五重小塔 重要文化財指定年月日1955.06.22

大師堂に安置される五重塔のミニチュアです。
建立年代1240

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)

文化遺産オンライン(文化庁)

 

所在地

〒601-8473 京都市南区九条町1番地

お問合せ

TEL.075-691-3325 / FAX. 075-662-0250

開門時間

午前5時 開門、午後5時 閉門

拝観時間 金堂、講堂:午前8時〜午後5時(午後4時30分 受付終了)
宝物館、観智院:午前9時〜午後5時(午後4時30分 受付終了)
拝観料

御影堂、食堂などの拝観は無料

有料拝観となる金堂・講堂・五重塔は、通年で公開していますが、時期により料金が異なりますので、詳しくは東寺HP拝観のご案内にてご確認ください。
※五重塔初層内部、宝物館の公開は、特別公開や特別参拝などの会期中に限られています

 

仏像について

東寺は、寺域も伽藍の配置も平安時代と変わっていない唯一の場所です。そして講堂の仏像21体のうち15体は空海が制作を直接指導したという事です。そしてそれは空海の構想した「立体曼荼羅」として、当時の配置のまま鎮座しています。ここで仏像についてちょっとだけ補足しておきます。

仏の分類

仏は大きく分けて四つに分類することができます。

如来

 「真理そのものとして来たれる者」の意で、悟りを開いたものを意味しています。

菩薩

悟りを求める者で菩提薩埵の略です。人々を救済することを願い、自ら修業を積んで如来を目指すもののことを言います。

明王

密教特有の尊像で、大日如来の使者あるいは変身とされています。反仏教的衆生を調伏する役割を持っています。

天部

古代インドの神々で、仏教を保護する護法神とされました。

祖師とは

仏教の教えを広めるために宗派を開いた高僧の事です。

まとめ

東寺に行ったときはちょうど秋期特別公開期間だったので、五重塔初層内部、宝物館も観ることができました。御影堂は修理中で、仮御影堂がありました。紅葉が鮮やかで景色も見ごたえがありましたが、そんな中でも、すべての建物が輝いて見えました。お寺や神社を参拝すると数多くの像がそこかしこに安置されています。穏やかな表情や、怒ったような表情などお顔を拝見すると一つとして同じものはありません。仏の分類を理解するだけでも、穏やかな表情の如来像は「悟りを開いているから」ということがわかりますし、不動明王などは悪を抑え鎮める役割だから怖いお顔をしていることがわかります。