ヘリテージ~受け継ぐべきもの

将来に遺したい日本の宝について

庭園と龍安寺

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で龍安寺についてみていきたいと思います。 

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知足の蹲踞

 

O.龍安寺

龍安寺は藤原北家の流れを汲む徳大寺実能の別荘の地を細川勝元が譲り受け禅寺としました。その後、戦乱や火災により焼失し、現在の本堂は1606年建立の西源院方丈を1797年に移築したものです。今では枯山水の石庭で世界的に知られています。

世界遺産登録一覧より

O1 本堂 

重要文化財指定年月日1967.06.15 建立年代1606

釈迦如来像を安置した中心建物で、1797年の火災で焼失したため塔頭の西源院の方丈を移築して現在に至っています。

O(1) 玄関 

重要文化財指定年月日1967.06.15 建立年代1606

本堂の正面入口

Oa 竜安寺方丈庭園 

特別名勝指定年月日1924.12.09 建立年代15世紀

三方を築地塀に囲まれた枯山水の平庭で、矩形(長方形)の白砂に5群15個の石組から成る石庭で、15世紀中期には造られていたようです。自然を狭い空間に圧縮し抽象化して表現をする枯山水庭園の極限的な姿であり、世界でも有名な石庭となっています。

Ob 竜安寺庭園 

 名勝指定年月日1955.02.03 建立年代13世紀

境内南側に広がる鏡容池を中心とした庭で、山門をくぐると左手に見えてきます。江戸時代後期に刊行された京都に関する地誌「都名所図会」によると、当時は石庭よりもこちらの方が有名だったようです。

※( )付の数字で示された建造物は、国宝もしくは重要文化財に指定された建造物に付随するものとして、国が指定した文化財である

参考資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)

文化遺産オンライン(文化庁)

石庭

 

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石庭の模型

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石庭

拝観について

拝観時間
3月1日~11月30日:8:00a.m - 5:00p.m.
12月1日~2月末日:8:30a.m - 4:30p.m.
拝観料:
大人・高校生 500円
 小・中学生 300円

龍安寺の石庭は、どの位置から眺めてみても、必ず1つは石が隠れて見えない様に設置されています。これは自らの足りない部分を見つめなおすようにとの意味があるようです。

鏡容池

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睡蓮の花、わかるでしょうか

鏡容池はオシドリの名所として知られており、春は桜、秋には紅葉やカエデ、夏にはスイレンが咲き四季を花で感じることができます。鏡容池へ行ったら北側に橋が架かっていますので、中央の弁天島にも行くことができます。

まとめ

龍安寺ではシンプルな「石庭」として知られる枯山水の方丈庭園と四季を色で感じることのできる「鏡容池を中心とした池泉回遊式庭園」二種類の対照的な庭園が楽しめます。この二つの庭園を鑑賞することで、その時の自分のありようがわかるような気がします。どちらに心惹かれるかも、その時々で変わってくるように思えました。

京都嵐山地区と「天龍寺」

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で天龍寺についてみていきたいと思います。

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天龍寺

 天龍寺について

後醍醐天皇の菩提を弔うため1339年に禅寺として創建されました。名勝嵐山や渡月橋、天龍寺の西側に広がる亀山公園などもかつては境内地で、広大な寺域と壮麗な伽藍を誇っていましたが、度重なる火災や被災に見舞われるなどの逆境の中、天龍寺は復興を続けてきました。その中で、夢窓疎石が作庭に携わった天龍寺庭園が残り、特別名勝に指定されています。

拝観について

参拝時間
8時30分 ~ 17時30分(北門は9時開門・17時閉門)
※10月21日~3月20日:8時30分~17時(北門は9時開門・16時30分閉門)
参拝料
  • 庭園(曹源池・百花苑) 高校生以上:500円 /小・中学生:300円/ 未就学児 :無料
    受付時に障害者手帳を提示された方は、本人および介護者1名まで100円引き
  • 諸堂(大方丈・書院・多宝殿) 庭園参拝料に300円追加 ※行事等により諸堂参拝休止日あり  
    諸堂参拝休止日:2019年10月29-30日 など
  • 法堂「雲龍図」特別公開 一人500円(上記通常参拝料とは別)
     ※土日祝日のみ[春秋は毎日公開期間あり]  9時~17時(10月21日~3月20日は16時 閉門)

世界遺産登録一覧より

天竜寺庭園

特別名勝指定年月日1923.03.07 建立年代14世紀中頃

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庭園

 わが国で最初の史跡・特別名勝指定となります。大堰川を隔てた嵐山や、庭園西に位置する亀山を庭の一部であるかのように取り込み、圧倒的なスケールを描き出した借景式庭園です。居室から見た曹源池中央正面は石だけによって、水がさも落ちているように表現された枯滝石組という形態で、竜門瀑、石橋、岩島といった石組を立てたダイナミックでしかも繊細な趣の池庭で、この石組の手法は後の枯山水庭園に影響を与えています。

関連資料

  • 世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)
  • 文化遺産オンライン(文化庁)

嵐山を散歩

嵐山羅漢

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嵐山羅漢

約70体の像が並んでいます。立っていたり座っていたり、よく見ると表情も様々で怒っているのか笑っているのか、思わず立ち止まって眺めてしまいました。阪神・淡路大震災以降に建てられ始めたそうで、その供養の意味も込められているのかもしれません。

竹林の小径

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竹林の小径

 私が京都観光で一番観たかったのがこの竹林。私の住む地域にはこのような竹はなく、もちろん竹林もありません。前に山形で竹林を生まれて初めて見たときの感動が蘇りました。

渡月橋

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渡月橋

嵐山と言えば渡月橋は欠かせません。嵐電で終点の嵐山で降りたらここに向かい河原でゆっくりと計画を練ります。ここは店が開く時間には混みだすので、この日は早い時間に行動してみました。混みだすとたくさんの観光客に行く手を阻まれます。そういう自分も観光客なのですが。

嵐山公園 亀山地区 展望台

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嵐山公園展望台より

本当はトロッコ列車にも乗ってみたかったのですが混んでいて乗ろうと思ったら1時間以上待たなければならないとの事。う~ん仕方ない。電車はあきらめて竹林を歩くことにしました。ということで頑張って登りました。真夏には無理でしょうがこの時期だと何とか登りきることができ絶景も観ることができました。

御髪神社

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御髪神社

御髪(みかみ)神社は日本でただ一つ髪をお護りする神社です。と書いていました。髪が不安な方は是非行ってみてください。

 

秋は紅葉がきれいで歩くのも苦になりません。気候も歩くには丁度良い加減で健康にもよさそう。秋の嵐山散策おすすめです。

「苔寺」の名称で知られる「西芳寺」

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中でここでは西芳寺についてみていきたいと思います。

西芳寺について

西芳寺は境内に黄金池を中心とした苔の庭園をはじめ、約120種類の苔が境内を覆っていることから「苔寺」として親しまれています。この寺は聖徳太子の別荘地として開かれ、1339年夢窓疎石が禅宗寺院として復興したもので、復興当初は、平地部に二層の楼閣瑠璃殿をはじめ、いくつかの庭園建築を持つ池庭、山腹に洪隠山とよばれる枯山水石組と座禅堂指東庵、山頂の展望地点に縮遠亭が建てられていました。室町時代におけるもっとも優れた庭園と呼ばれ、石庭や建物に彩られた庭園は華やかな風景を呈していたと伝えられています。 西方寺は何度も人災や天災にあいましたが、浄土真宗中興の祖といわれる蓮如や今川義元等の他、宗旨を異にする門徒や西芳寺周辺の村々からの寄進によって復興してきました。

世界遺産登録一覧より

K1 湘南亭本家(重要文化財指定年月日1907.08.28 建立年代16世紀後半-17世紀前半)
16世紀末に茶庭として建てられました。
K2 湘南亭待合及廊下(重要文化財指定年月日1907.08.28 建立年代16世紀後半-17世紀前半)
四畳の待合及び本家へつなぐ廊
Ka 西芳寺庭園 (特別名勝指定年月日1923.03.07 建立年代14世紀前半)
日本初の作庭家ともいわれる夢窓疎石の作庭で、上段は枯山水式、下段は池庭式とする二段構えの庭園で、当初は苔はなく、江戸時代末期に現在のような苔に覆われる状態となったようです。

 関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)
文化遺産オンライン(文化庁)

拝観について

西芳寺の参拝は寺院本来の宗教的雰囲気を保ち、皆様に心静かにお参りいただきたいという願いから「往復はがきによる事前申込」が必要となり、それ以外での参拝はできません。

住所:〒615-8286 京都府京都市西京区松尾神ケ谷町56

夢窓疎石ってどんな人?

夢窓疎石は鎌倉時代から南北朝時代、室町時代初期にかけての臨済宗の禅僧です。夢窓国師・正覚国師・心宗国師、死後に普済国師・玄猷国師・仏統国師・大円国師と7代の天皇の帰依を一身に受けたといいます。一方で庭園デザイナーとして、また、歌集を残すほど和歌にも長けていたといいますから、禅僧としては感性面で突出した僧だったようです。

夢窓疎石設計による庭園

  • 西芳寺庭園 - 京都市西京区。世界遺産、国の特別名勝特別名勝
  • 天龍寺庭園 - 京都市右京区。世界遺産、国の特別名勝
  • 永保寺庭園 - 岐阜県多治見市。国の名勝
  • 瑞泉寺庭園 - 神奈川県鎌倉市。国の名勝
  • 恵林寺庭園 - 山梨県甲州市。国の名勝
  • 覚林房庭園 - 山梨県身延町。
  • ほか

まとめ

観光公害で苔が荒れ、現在のように予約制になったと聞き、それがちょっと寂しい気がしました。後世に残すべき遺産を大切にする心はいかなる人にも失ってほしくない。遺産に限らず観光地では観光被害に悩まされる人がたくさんいます。道徳やマナーについても今一度考えてみるべきだと思います。

日本最古の漫画と称される「鳥獣人物戯画」が伝わる高山寺

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で高山寺こうさんじについてみていきたいと思います。

高山寺

日本最古の茶園と漫画の元となった絵巻「鳥獣人物戯画」で知られています。明恵上人が、神護寺の別院であったこの場所を高山寺として開山しました。当初は金堂、阿弥陀堂、十三重塔、東西経蔵等が建っていましたが、中世の戦乱期に荒廃し、江戸時代に入った1634年に再興されました。 もみじの絶景としても有名です。

世界遺産登録一覧より

J1 石水院   国宝指定年月日1898.12.28 建立年代13世紀前半
住宅様式の建物で、13世紀前半に建てられ、現石水院は本来は経蔵として金堂の後方に建っていたものを1889年に現在の場所に移築されたと言うことです。1930年に解体修理、1952年と1969年に屋根葺替が行われています。庇を 神社・仏閣などの建築にみられる縋破風で処理する手法などは鎌倉建築らしい造りとなっています。   
J2 宝篋印塔  重要文化財指定年月日1955.02.02 建立年代13世紀
石造の宝篋印塔は鎌倉初期頃から制作されたと見られ、文献によると京都栂尾外畑(とのはた)に建てられた「明恵上人髪爪塔」が最も古いとされていますが、移設した記録が残っていないため、高山寺内明恵廟堂前にある「高山寺宝篋印塔」がこれにあたるかどうかは定かではないようです。
J3 如法経塔  重要文化財指定年月日1955.02.02建立年代 13世紀
一重形式の石造塔です。法華経は写経・経塔建立を重視していたと聞いたことがありますので、この塔もそういう意味合いで建てられたのでしょう。

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)
文化遺産オンライン(文化庁)

拝観について

住所
〒616-8295 京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
TEL 075-861-4204 FAX 075-865-1848
拝観時間
8:30~17:00
石水院拝観料
800円
※紅葉時期のみ入山料500円

鳥獣人物戯画

鳥獣人物戯画は高山寺が収蔵する国宝の絵巻物で、日本でもっとも有名な絵巻といってよいでしょう。全4巻で長さは計40メートルに及び、擬人化した動物が描かれているのが特徴で、漫画の原点ともいえます。平安時代後期の甲巻・乙巻と鎌倉時代の丙巻・丁巻からなり、現在石水院に飾られているものは複製となっています。現在は甲・丙巻が東京国立博物館、乙・丁巻が京都国立博物館に保管されているとのことです。

甲巻  縦30.4cm 全長1148.4cm
擬人化された動物が描かれています。
乙巻  縦30.6cm 全長1189.0cm
実在・空想上の動物が写生的に描かれています。
丙巻  縦30.9cm 全長933.3cm
前半には人間が登場し、後半には擬人化された動物が描かれています。
丁巻  縦31.2cm 全長1130.3cm
人間のみで構成され、勝負事に挑む姿が多く描かれています。

まとめ

高山寺は平成30年の台風21号の影響で、樹齢100年以上の大木を含む200本以上の木が倒れ、金堂・開山堂・仏足石が損壊するなど、甚大な被害を受けました。そのため、大規模修復工事が行われ、令和2年3月31日にそのすべてが完了しています。日本は台風や地震など、自然災害が多く、それは避けることのできないものです。そんな中で、被害を少なくするための努力や対策がこれからの課題となることを実感しました。

神社建築として現存最古の宇治上神社

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で宇治市の神社、宇治上神社についてみていきたいと思います。

I.宇治上神社

宇治上神社の始まりは明らかではありませんが、平等院鳳凰堂完成後は平等院の鎮守として崇拝されてきました。宇治上神社は平等院と宇治川をはさんで向かい合わせとなっており、正面は平等院の方を向き、背後には森林が広がっています。

世界遺産登録一覧より

本殿、拝殿、摂社春日社本殿からなります。1908年に拝殿、1910年には本殿の解体修理が実施され、その後、本殿、拝殿とも2回の屋根葺替が行われています。

I1 本殿 

国宝指定年月日:1902.04.17  建立年代:11世紀後半
建立年代は明らかではありませんが、本殿は一間社流造の内殿が三棟が並んでいて、祭神はそれぞれ左殿が菟道稚郎子命(仁徳天皇の異母弟にあたります)、中殿が応神天皇 (第15代天皇で菟道稚郎子命の父)、右殿が仁徳天皇(第16代天皇)となっています。内殿の規模や細部はそれぞれ異なり、建立年代も左殿、中殿、右殿の順に古く、およそ11世紀後半から12世紀前半にかけての造営で神社建築の最古の建築です。
I2 拝殿 

国宝指定年月日:1902.07.31 建立年代:13世紀前半
鳥居をくぐり、参道を歩き、階段をあがると見えるのが、住宅建築に近い趣をもつ本殿の前の一段低くなったところに建つ横長の拝殿です。13世紀前半建立で、現存する最古の拝殿となります。

I3 摂社春日神社本殿 

重要文化財指定年月日:1912.02.08 建立年代:13世紀後半-14世紀前半
宇治上神社の境内にある一間社流造の小さな社です。

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)
文化遺産オンライン(文化庁)

拝観について

住所
〒611-0021 京都府宇治市宇治山田1
連絡先
TEL.0774-21-3041 FAX.0774-24-3901
拝観料
無料
参拝時間
境内自由
祈祷
16時まで受付

宇治上神社の見どころ

桐原水

宇治七名水で現存する最後の一つ。宇治と言えばお茶が有名ですが、そのお茶に欠かせない水。宇治茶の象徴として「宇治七名園」があり、その名園にそれぞれ名水が定められていてそれが「宇治七名水」とされました。その中でこの桐原水だけが今なお枯れることなく涌き出しているのだそうです。桐原水は、 拝殿の横に、祠のような建物の中にあります。

さわらびの道

宇治上神社、源氏物語ミュージアムなど、源氏物語・宇治十帖ゆかりの古跡などを巡る散策道です。源氏物語散策の道としても親しまれています。

宇治上神社の物語

見返り兎に関する逸話

菟道稚郎子命が河内から宇治に向かう際道に迷い、兎に導かれ無事に目的地へたどり着くことができました。その時兎が何度も振り返りながら道を進んでいたことから「みかえり兎」が祀られるようになり、正しい道を教えてくれたことから兎を神の使いとしてあがめられているという逸話があります。

日本書紀に記載されている物語

菟道稚郎子命は、父応神天皇の寵愛を受けて皇太子にたてられましたが、菟道稚郎子命は異母兄の大鷦鷯尊(仁徳天皇)に皇位を譲るために自害し兄が皇位を継いだという美談です。

これは日本書紀にのみ記載されている内容のため真意がわからないということで、ここでは物語として紹介します。詳しい内容は宇治上神社に置かれています。

平等院と末法思想

日本で5件目の世界遺産として(文化遺産としては3件目)京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市,宇治市,大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。その中で宇治市のお寺、平等院についてみていきたいと思います。

H.平等院

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平等院

建造物、庭園目録(世界遺産登録一覧より)

H1 鳳凰堂中堂(国宝指定年月日1897.12.28 建立年代1053 - 本尊阿弥陀如来像を安置する堂宇)

H2 鳳凰堂翼廊(北)(国宝指定年月日1897.12.28 建立年代1053 - 中堂の北につながる廊 )

H3 鳳凰堂翼廊(南)(国宝指定年月日1897.12.28 建立年代1053ー 中堂の南につながる廊 )

H4 鳳凰堂尾廊(国宝指定年月日1897.12.28 建立年代1053- 中堂の後方につながる廊 )

H5 観音堂( 重要文化財指定年月日1902.04.17 建立年代13世紀中頃 - 十一面観音立像を本尊とする堂 )

Ha 平等院庭園( 名勝指定年月日1922.03.08 建立年代11世紀中頃 - 鳳凰堂とその前面の池を中心とした浄土式の庭園)

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)

文化遺産オンライン(文化庁)

平等院について

794年桓武天皇は奈良から京都へ遷都しました。これにより交流軸のコースは大和川から淀川に移り、大阪から京都への淀川ルートが水運交流の主軸となり、その先の琵琶湖まで交流軸は続きました。平安京に都が遷都されると、宇治には貴族の別荘が造られるようになりました。平等院も最初は別荘でしたが、1052年に藤原頼通により寺院として改められました。1053年に、阿弥陀堂(現在の鳳凰堂)が造られ、12世紀初めまでに、阿字池を中心とする浄土庭園と諸伽藍が造営されました。

1331年に戦火により鳳凰堂を除く伽藍は焼失し、15世紀後半に伽藍再興と鳳凰堂の修理が行われ、17世紀後半にも修理が行われました。その後、1902〜1906年に鳳凰堂の半解体修理・1950〜1957年解体修理(創建当初の姿に復原されるとともに、創建時より14回におよぶ修理が施されていることが判明)が行われました。

平等院参拝について

所在地 〒611-0021  京都府宇治市宇治蓮華116
0774-21-2861
定休日 無休
営業期間 8時30分~17時30分(入園受付は15分前まで)
鳳翔館
9時~17時(入館受付は閉館の15分前まで)
料金 大人 600円
中学・高校生 400円
小人 300円
(鳳翔館入館含む)
※身障者手帳をお持ちの方は、本人および介添人1名を半額

平等院の見どころ

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池に写る平等院

庭園

庭園をゆっくり歩いて回るといろいろな表情の平等院が楽しめます。

阿弥陀如来坐像

平安時代後期、定朝が寄木造りの技法により制作し、これにより日本独自の仏像技法「和様」が完成したとされています。信仰が深く、善行を積んだ最高級の善人を迎えることを示す「阿弥陀定印」を結び、穏やかな表情をしています。

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池越しに阿弥陀如来のお顔が見えるようになっています。

平等院梵鐘

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平等院梵鐘

現在鐘楼に吊されている鐘は、寸分違わぬ姿で復元された二代目のものです。実物は鳳翔館で見ることができます。

鳳翔館

国宝の梵鐘、雲中供養菩薩像、鳳凰一対や重要文化財の十一面観音立像など見ることができます。
茶房

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茶房

宇治茶をじっくりお楽しみください。

内部拝観

内部拝観については別料金となります。受付で時間券を購入するのですが、時間と人数に制限があるため、混んでいるときは待ち時間が長くなります。最初に内部拝観の申し込みをすると、見学の順路を時間に合わせて決めることができ、効率よく周れると思います。私が行ったときは1時間程度待ち時間があったので、まずミュージアム鳳翔館に行ってから内部拝観しました。内部拝観の際は職員の説明も聞くことができます。 お寺や神社などいろいろ見学してきましたが、個人で行って、職員の説明が聞けるところはあまりありませんでした。平等院、鳳凰堂の内部拝観については職員の説明が聞くことができ、とてもためになりました。

浄土信仰の広まり

平安末期から鎌倉時代は武士や僧侶の権力争いが続き、天変地異による疫病と飢餓が流行りました。動乱の中、人々は末法の到来を恐れました。

末法とは

  • ブッタ入滅(涅槃に入ることつまりブッタが亡くなった年)から500年ないし1000年の期間を正法といいブッタの教えがよく保たれ、正しい修行により覚りが得られる時代です。
  • 次の500年ないし1000年は像法といい、教法・修業は行われますが、覚りが得られなくなる時代です
  • 次の1000年は末法といい教えが説かれても修行するものがなく、覚りを開くものがいなくなった時代です。
  • 最後に法滅といい仏法が滅びます

平等院が寺院として改められた1052年がブッタの入滅後1500年目にあたり、末法の初年となります。

この風潮を背景に広まってきたのが浄土信仰です。死後への不安から、天皇や貴族も仏教に帰依し、極楽往生を願いました。平等院鳳凰堂は極楽浄土の模写ともいわれ、その象徴のようなものだったのでしょう。

 

真言宗御室派の総本山 仁和寺

日本で5件目の世界遺産として京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2県3市に点在する構成資産17件(寺13、神社3、城1)から成る古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)が1994年、世界遺産として登録されました。なお、文化遺産としては3件目となります。 その中で仁和寺についてみていきたいと思います。

G. 仁和寺 ( にんなじ )

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仁和寺は真言宗御室派の総本山で、真言宗御室派の歴史は仁和寺の開創に始まり、応仁の乱の戦火で、仁和寺が全焼したことが原因で衰退、江戸時代に入り、江戸幕府による資金援助で再興を果たしました。一度は他の真言宗派と合同になりましたが、1900年仁和寺を本山とする真言宗御室派として独立を果たしました。1941年、古義真言宗・新義真言宗系の宗派が政府の政策によって合同で大真言宗が成立しましたが、戦後独立し1946年、再度真言宗御室派として発足し現在に至っています。

世界遺産登録一覧より

建造物、庭園目録に掲載されているのは以下のとおりです。

G1 金堂 国宝指定年月日1900.04.07 建立年代1613(本尊を安置した中心仏堂 )

G2 五重塔 重要文化財指定年月日1900.04.07 建立年代1644

G3 観音堂 重要文化財指定年月日1973.06.02 建立年代1641-1644 (千手観音菩薩をまつる堂宇)

G4 中門 重要文化財指定年月日1973.06.02 建立年代1641-1644 (金堂南側正面の門 )

G5 二王門 重要文化財指定年月日1931.01.19 建立年代1641-1644  (境内入口に建つ正門 )

G6 鐘楼 重要文化財指定年月日1973.06.02 建立年代1644(鐘をつるす建物 )

G7 経蔵 重要文化財指定年月日1973.06.02 建立年代1641-1644(経を納めてある建物 )

G8 御影堂 重要文化財指定年月日1908.08.01 建立年代17世紀前半(弘法大師をまつる堂) 
G9 御影堂中門 重要文化財指定年月日1973.06.02 建立年代1641-1644 (御影堂前面の門)

G10 九所明神本殿中殿 ・G11 九所明神本殿左殿 ・G12 九所明神本殿右殿 重要文化財指定年月日1973.06.02 建立年代1641-1644 (任和寺の守護神をまつる社殿 )

 G13 本坊表門 重要文化財指定年月日1973.06.02 建立年代17世紀前半 (住職の住む院の正門 )

G14 遼廓亭 重要文化財指定年月日1937.07.29 建立年代17世紀後半  (茶室)

G15 飛濤亭 重要文化財指定年月日1937.07.29 建立年代19世紀前半 (草庵風の茶席)

関連資料

世界遺産一覧表記載推薦提案書(文化庁)

文化遺産オンライン(文化庁)

 

拝観について

拝観受付時間

  • 3~11月9:00~16:30
  • 12~2月9:00~16:00

〒616-8092
京都府京都市右京区御室大内33
TEL/075-461-1155
FAX/075-464-4070

仁和寺について

仁和寺は仁和4年(888)に宇多天皇により完成した勅願寺で、宇多天皇が退位後出家して定住して以来明治維新まで、皇子、皇孫が門跡を務めたことから「御室御所」といわれています。

応仁の乱により全伽藍を焼失しましたが、現在の伽藍は1641〜1644年に再興、このとき当時御所にあった紫宸殿と常御殿が移築されて、それぞれ金堂と仁和寺御殿(1887年焼失)と改められました。また清涼殿の古材を用いて御影堂が造営されたほか、ニ王門・中門・五重塔などが建てられ、境内の整備が進められました。現在みられる伽藍は、主としてこのときのものです。その後、1693年と1742年に伽藍建物の修理が行われています。

金堂は、正面7間、側面5間の大規模な建物で、屋根が檜皮葺から本瓦葺へ改められているものの、蔀戸(しとみど)をめぐらせるなど飛鳥時代の建築物として重要な役割を果たしています。

仁和寺のピックアップ写真

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ここ仁和寺は私が古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)を世界遺産として意識した初めての場所でした。仁王門左右の金剛力士像を見て「これが世界遺産なんだ」と訳もなく感動しました。ちなみに金剛力士は天部にあたるらしいのです。仏敵が入ることを防ぐ守護神としてここに安置されているのだとか。怒りの表情なので明王だと思っていました。

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写真の勅使門は世界遺産のリストには入っていません。
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高さ36mの五重塔は屋根の大きさがあまり変わらないのが特徴らしいです。大きなお寺や神社には塔があるのはなぜか調べてみると、仏塔のことでした。